英国発の新しいeコマースマーケットプレイス「Add to Cart」は、中小企業へのサポートに重点を置くことで、他のオンラインマーケットプレイスに対抗したい考え。Add to Cartは、セラーの既存販売プラットフォームと連携している。
Add to Cartは、英国の車や施設などのレンタルの比較マッチングサービスAnythingforhire.comの運営者でもある起業家、Tej Randeva氏が設立。同氏は、Add to Cartでeコマース界の大手に挑戦したいと考えている。「何千もの小規模な独立系小売業者に、パンデミック後に向けた強力な後押しをする」とのこと。
小規模ベンダーのサポートを重視
Add to Cartは、小規模ベンダーのサポートを重視することで市場シェアを獲得したいと考えている。しかし、同社は「ベンチャー企業の重要な要素である自主性を奪いたくはない」と説明。したがって、Add to Cartは、Shopifyのような既存の販売プラットフォームと連携して機能する。
100社以上の企業が約60,000の商品を掲載
現在、100を超える企業が60,000以上の商品をAddtoCart.co.ukに掲載している。そして、ギフト商品専門店、工芸品を専門に扱うショップ、身だしなみ商品の専門ショップ、食料品店などの小売業者へ数百のオンライン注文を生み出している。
「この18か月は中小企業には厳しかった」
「コロナ禍による混乱によって、従来の客数が制限され、中小企業にとって本当に困難な18か月だった」とRandeva氏は語る。さらに「AmazonやeBayのようなメジャーなマーケットプレイスの多くは、中小企業に力を入れておらず、中小企業は多くの商品を扱い広告費をかけなければそこで成功することは難しい」と述べた。
AmazonやeBayは、中小企業向けではない
また「Add to Cartでは、使いやすく、月額利用料金無しで利用できるプラットフォームを開発した。そして、最も重要なことは、当社のバックエンドのマーケティングの専門知識とサポートをすべて活用することで、セラーの商品をオンラインランキングの上位に表示させることが可能な点である」と続けた。
月額利用料はかからず、手数料は10%
オンラインセラーは、Add to Cartに無料で登録することができ、月額利用料は不要。「売上が無ければ、Add to Cartへの支払いは発生しない」とFAQに記載されている。現在、手数料は、1注文ごとに10%または最低0.50ポンドとなっている。
登録ユーザーは、ワンステップのインターフェースを介して、既存のeコマースプラットフォームからすべての商品情報をインポートすることができる。登録すると、SEOマーケティング、有料広告、ソーシャルメディアキャンペーンなどのサービスを利用できる。
「大手オンラインマーケットプレイスの多くは、セラーに対して顧客情報を公開しないが、Add to Cartではすべてのデータを利用できる。ユーザーは、リマーケティングを行い、顧客ベースと永続的な関係を築くことができるのだ」。
地域別検索
近日中に、買い物客が地域別に検索できる新機能が登場する予定だ。これにより、買い物客による自分の地域の企業へのサポートを後押しすることができる。Randeva氏は、Add to Cartには、急速に事業を拡大できる可能性があると考えているという。「英国でのポジションを固めた後、カナダから始めて、米国、オーストラリア、ヨーロッパと海外へ進出するエキサイティングなプランがある」と語った。
※当記事は欧州メディア「E-Commerce News」の8/30公開の記事を翻訳・補足したものです。