欧州消費者の大多数は、オンラインショッピングのウェブサイトを閲覧中にインスピレーションを得たいと考えている。しかし、「ほとんどのオンラインストアはインスピレーションを感じられない」という買い物客は多いという。そして、インスピレーションが欠如しているオンラインストアでの購入を避ける傾向にある。

 

実際のところ、オンライン小売ストアからインスピレーションを得ているという欧州の消費者は、わずか29%にすぎない。また、57%はインスピレーションの欠如や残念なショッピング体験によって、そのオンラインショップから商品を購入したくなくなる、と回答している。

 

「オフライン買い物客の行動をオンラインに変換する」

デンマークのオンラインパブリッシャーであるiPaperと、市場調査会社Epinioが、英国、ドイツ、フランス、オランダ、イタリア、スウェーデンで6,000人を超える買い物客を対象に調査を行った。同調査のリサーチャーによると、小売業者にとってオフラインでの買い物客の行動をオンラインに変換する方法を見出すことが重要であるという。

 

「ブラウジング中の買い物客の大多数をターゲットにした、インスピレーションを与えるコンテンツを作らなければならない」

 

「小売業者は、オンライン買い物客の購入ジャーニーの全過程を理解する必要がある。そして、購入を考えている少数のためではなく、大多数のブラウンジングしている買い物客をターゲットにしたインスピレーションを与えるコンテンツを作らなければならない」。

 

「商品をよりよく見せるだけでは不十分」

EpinionのデジタルビジネスディレクターであるJesper Lykke Nielsen氏によると、今回の調査結果から、ただ単に商品を紹介するだけでは不十分であることがわかった、とのこと。「小売業者は、買い物客にインスピレーションを与えなければならない。真のインスピレーションは感情的なエンゲージメントとパーソナライズされたショッピング体験を基に構築されるべきである。小売業者は、この2本の柱に焦点を当てることで、長期的な顧客ロイヤルティを生み出すことができる」。

 

インスピレーションを与えるAmazon

オンラインでインスピレーションを与えるeコマースウェブサイトに関する質問で、Amazonをマーケットリーダーだと答えた回答者は51%となった。Amazonは、商品検索や購入を目的に利用されることも多い。10人中6人が、商品を購入するためにAmazonを利用しているが、それに対し、購入目的でオンラインショップを利用する人は24%にすぎない。

 

「感情的なインスピレーションでAmazonに対抗する」

 

Amazonは、機能面でのインスピレーションに優れているかもしれないが、感情に訴えてはこない。つまり、オンライン小売業者は、感情的なインスピレーションにより注力することで、Amazonと競うことができるだろう。「ユニークなブランドストーリーを伝え、買い物客にインスピレーションを提供するために設計されたオンラインプラットフォームを構築することによって、小売業者は買い物客と感情的なレベルでつながることができ、買い物客のロイヤルティを高めることができる」。

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の7/1公開の記事を翻訳・補足したものです。