オンライン商標登録サービスを運営するcotobox株式会社は、越境EC事業を展開する経営者・役員・担当者(事業責任者やマーケティング担当者)に、商標の意識調査に関する調査を実施した。

 

まず、越境ECで自社ブランドを海外販売する際に、販売する国で商標を事前に申請したか聞いたところ、「全く事前に申請していなかった」が18.9%、「一部の商品のみ申請した」が45.5%という回答となった。

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「全く事前に申請していなかった」人に、販売する国で商標を申請しなかった理由を聞いたところ、「申請が面倒だったから」と「申請方法がよく分からなかったから」が同率で42.1%、「申請業務より他の業務を優先していたから」が31.6%という回答となった。

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「全く事前に申請していなかった」「一部商品のみ申請した」人に、販売する国で商標を申請しなかったことにより、後悔した経験があるか聞いたところ、「経験がある」が41.6%、「経験がない」が55.4%という回答となった。

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後悔した「経験がある」人に、販売する国で商標を申請しなかったことにより後悔している内容を聞いたところ、「商標権が問題となったこと」が66.7%、「外国の現地会社から商標をとられたこと」が40.7%、「商標問題で海外から撤退しなければならなかったこと」が37.0%という回答となった。

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続いて、越境ECを使って自社ブランドを海外販売する時に、販売する国で商標を事前に申請することを重要だと感じるか聞いたところ、「非常に重要だと感じる」が41.6%、「重要だと感じる」が47.5%という回答となった。

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「非常に重要だと感じる」「重要だと感じる」人に、その理由を聞いたところ、「商標権の侵害で訴えられる可能性があるから」が68.9%、「他社や他経営者に商標権をとられるリスクがあるから」が42.2%、「EC・通販サイトで模倣品を販売される可能性があるから」が41.1%という回答となった。

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今回の調査で、越境ECで自社ブランドを海外販売する際に、販売する国で商標を事前に申請しなかった人は64.4%にのぼることが判明した。そのうち、事前に全く商標登録をしなかった人に、販売する国で商標を申請しなかった理由を聞くと「申請が面倒だったから」「申請方法がよくわからなかったから」などに回答が集まった。さらに、販売する国で商標を申請しなかったことにより、後悔した「経験がある」と回答した人は41.6%おり、後悔した内容として、「商標権が問題となったこと」をあげた人が66.7%いることが判明した。これらの経験もあってか、「越境ECを使って自社ブランドを海外販売する際に、販売する国で商標を事前に申請することを重要だ」と感じる人は約9割存在し、越境ECにおける商標申請の重要性を実感する経営層が多いことが明らかになった。

 

越境EC事業を展開するにあたり商標権は問題となってくる。アンケートでも、商標申請しなかったことで、「外国の現地会社から商標をとられた」や「商標問題で海外から撤退すことになった」といった事態も実際に起こっていることから、これらの法的トラブルを防ぐために、自社商品の海外販売時における、販売国での商標申請の重要性を経営者は再認識しなければいけないだろう。商標権の侵害で訴えられる可能性等を回避するために、現在では弁理士・弁護士だけでなく、煩わしい商標登録申請の手続きを簡易化するネット特化型の商標検索サービスも展開されている。各種サービスを利用して、商標登録をしてもよいかもしれない。