株式会社マクロミルは、消費者定点観測であるMacromill Weekly Index(MWI)を毎週継続して実施している。今回、MWIから見えた「コロナ禍での消費者心理と消費実態の変化~2020年振り返り~」を公開した。

 

2011年の調査開始以来、2度の消費増税によって一時的な消費者心理や消費実態の変化もあったが、基本的には年周期の大きな動きの中で変化を繰り返してきた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大や緊急事態宣言の発令があった2020年は、今までにない大きなスコア変動を観測した。2020年のMWIの中からオンライン購入比率をピックアップし、紹介する。

 

不要不急の外出が呼びかけられることが多かった2020年、オンラインでの買い物状況はどうだったのか。総消費金額とオンラインでの購入金額の比率を見ていく。

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「オンライン購入比率」は2020年4~5月の緊急事態宣言の前に約17%、緊急事態宣言期間は平均23%程度と、緊急事態宣言によって約5ポイント上昇した。緊急事態宣言解除後は若干低下して約20%で、その後も以前より高い水準を維持し続けた。実際の店舗での購入を控えている人やオンラインで購入する習慣が身に付いた人などが混在しているとは思うが、緊急事態宣言を経験したことによって、消費者全体における購入チャネルの大きな変化が見て取れる。

 

2020年末から2021年にかけて、新規感染者数が爆発的に増えており、医療現場は逼迫した状況が続いている。2021年1月には11都府県にも緊急事態宣言が発令された。しかし、今のところ、2020年に発令された緊急事態宣言の頃とは違い、人々の不安感が極度に高まっている状態ではない。更なる感染者数の増加に伴う国の政策判断によって、センチメントや消費マインドがどのように変化していくのかはわからないが、消費者の健康診断としてのMWIの定点観測調査は継続いていく。今後も最新の消費者の実態に注目していこう。