新型コロナウイルス禍で多くの生活様式が変わり、ソーシャルメディアへのアプローチも変化している。ソーシャルメディアの利用はますます増加し、その利用目的はニュースが中心となっている。

 

市場調査会社GlobalWebIndexが行った世界170,000人以上のインターネットユーザーを対象とした調査によると、ユーザー1人当たりのソーシャルメディアアカウントの平均数は、2017年の7.6個から2020年には8.1個に増加し、ソーシャルメディア平均利用時間は2時間15分から2時間22分に伸びている。「それと同時に、47%のインターネットユーザーはニュース目的でソーシャルメディアを活用している。しかし、最も信頼できるニュースソースとしてソーシャルメディアを見なしている人は、わずか14%にとどまる」。

 

「自由な時間が増え、人と直接交流する機会が少なくなったこの期間中は、ソーシャルメディアの利用が増えるとみられていた」とGlobalWebIndexのトレンドマネージャー、Chase Buckle氏。「とはいえ、ソーシャルメディアの利用が急激に増加したことで、私たちとソーシャルメディアの関係が変化したことには驚いている」。

 

コロナウイルスのパンデミックは、ニュースの消費に変化をもたらしただけではなく、ソーシャルメディアチャネルを本来の意味である「ソーシャル(社会的な)」に立ち返らせる要因ともなっているのだ。

 

ソーシャルメディアを活用する第一の理由は「友人と連絡を取り合うため」だが、この目的でソーシャルメディアを利用する人は、2017年から2020年の間に42%から33%に減少している。しかし、過去2ヶ月の間に、米国と英国ではソーシャルメディアで交流する人の55%が、より多くのシェアをしている。また、米国と英国のインターネットユーザーの30%は、ソーシャルチャネル上で、彼らが抱えるメンタルヘルス関連の問題について、よりオープンになっているのだ。

 

使用されるプラットフォームについては、FacebookYouTubeFacebook MessengerWhatsApp、そして、Instagramが、中国以外の国で依然として最も多くのユーザーが利用するチャネルである。一方、TikTokSnapchatTwitch(Amazon提供のライブストリーミング配信プラットフォーム)などのプラットフォームは、まだ、大幅なユーザー獲得の余地があるだろう。特に、世界の消費者の23%が、パンデミック後も多くの動画を見続けるつもりであることや、過去数ヶ月の間に、幼い子どもを持つ親の20%がこれらのアプリで動画を作成したことがあるからだ。

 

広告主に関しては、回答者の77%がパンデミック時にどのような支援を行っているかを示すキャンペーンを実施しているブランドを支持し、47%はブランドがソーシャルメディアを通じてBlack Lives Matterへの支援を示すべきだと感じている。

 

また、Buckle氏は、「人々の日々の活動におけるソーシャルメディアへの依存度が高まる中、ソーシャルメディア企業にとっては、自社プラットフォームを消費者の生活の一部として有用で生産的なものにするための大きなチャンスが生まれている。しかし、その過程で、いくつか困難な調整が必要になるだろう」と付け加える。

「ソーシャルメディアが、人とのつながりやより人間性が重要とされる『原点』に立ち戻った使い方に移行したと同様に、ブランドや出版社もまた、こうした考え方をマーケティング戦略や機能に組み込む必要がある。ブランドや出版社が、自分たちがソーシャルメディアを最初にどのように使用していたか、そして、消費者とどのようにコミュニケーションをとっていたのかを振り返ることは、有益なステップになり得るのだ」。

 

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の7/28公開の記事を翻訳・補足したものです。