新型コロナウィルスによるデジタル広告への影響は底を打ったのか | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」

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公開日2020/05/15

新型コロナウィルスによるデジタル広告への影響は底を打ったのか

3月中旬の打撃は突然で劇的なものだったが、メディアバイヤー等からは最悪の事態は終わったという兆しが見られる。

 

「2020年第1四半期の最後の3週間で、広告需要が大幅に減少するとともに、広告価格も下落した」- Facebook(広告収入は対前年比17%増の174億ドル)

 

「…だが、その後3月には広告収入が大幅に落ち込んだ」- Google/Alphabet(Google等の持株会社)(当該四半期の広告収入は対前年比10%増の338億ドル)

 

「…四半期に向け好スタートを切った3月は、新型コロナウィルスによる広範囲での経済混乱の影響を受けた」- Twitter(広告収入は対前年比横ばいの6億8,200万ドル)

 

「新型コロナウィルスのために多くの広告予算が減少したが、四半期の最初の2ヶ月で高い収益成長率が見られ、これが3月の成長率の低下を相殺している」- Snap(写真共有アプリSnapchatを運営する米国企業)(収入は、対前年比44%増の4億6,200万ドル)

 

「…広告費に大幅な削減が生じており、これは当社の検索ビジネスとLinkedInビジネスに影響を与えている」- Microsoft(検索広告収入は1%増加し、LinkedInの収入は21%増加)

 

上記のステートメントは、2020年3月31日までの各企業の正式な四半期毎のプレスリリースや収支報告から引用したものである。これらは、新型コロナウィルスが四半期最終週に広告ビジネスに与えた突然の影響を反映しており、また、各社が今年、力強いスタートを切っていることをおぼろげに示している。

 

ダイレクトレスポンスはバッファであった

この危機の浮き沈みの激しさによって、多くの企業は需要の急増を目の当たりにし、自社のパフォーマンスキャンペーンのROI(投資利益率)を継続的に見ている企業は、従来通りの方針を取り続けるか、もしくは、特定のチャネルの広告費を増やした。 Facebook、GoogleやSnapは、四半期末におけるダイレクトレスポンス収入のプラスの影響について言及した。

 

Facebook CFOのDavid Wehner氏は、「”求めている結果を手に入れる”パフォーマンス型広告主は、支出を続けているが、”オフラインやファネルブランドの上位を目指している”広告主は、さらに支出を削減している」と語った。

 

YouTubeはダイレクトレスポンスに参入してきたが、ブランドの広告主と彼らのテレビの予算を長らく求めてきた。前四半期、各社はブランディングキャンペーンを削減したが、好調を支えたのはパフォーマンスキャンペーンであった。

YouTubeについて、「ダイレクトレスポンスは、この四半期全体を通じて対前年比で大幅に成長し続けている。ブランド広告の成長は、四半期の最初の2ヶ月で加速したが、3月中旬に逆風が吹き始めた」と、GoogleとAlphabetのCFOであるRuth Porat氏は語った。これにより、YouTubeの広告収入成長率は、対前年比で「一桁台後半」にまで鈍化した。

CEOのSundar Pichai氏は、「Youtubeでは、アプリのインストールとゲームが、ダイレクトレスポンスを牽引している分野である」と述べている。

 

Snapは、四半期ごとの収入が対前年比で44%増と好調な伸びを報告。ダイレクトレスポンスの収入は、過去2年間で同社の広告収入全体に占める割合が2倍となったと述べている。「この戦略のおかげで、結果として、我々はこの差し迫った危機においても有利な立場にあるだけでなく、回復への道のりでデジタル広告市場のシェアを取り続けていくだろう」と、SnapのチーフビジネスオフィサーであるJeremi Gormanは決算発表で語った。

 

来たるものの予感 

状況の不安定さゆえに、多くの企業は2020年第2四半期の財務指針の提供を拒んだ。しかし、いくつかのステートメントに基づくと、4月は、3月同様にまとまりつつあるように見える。つまり、状況はあまり改善されてはいないものの、底を打ったかもしれないということだ。

 

GoogleのRuth Porat氏は、「4月の最初の数週間、検索広告では、3月末から対前年比の収入がさらに減少することはなく、YouTubeのダイレクトレスポンス広告収入は引き続き堅調である」と語った。だが彼女は、「ブランド広告は、引き続き減少している」と加えている。

 

同様に、Facebookは、4月の最初の3週間において「安定の兆候」が見られるという。同社によると、広告収入は前年同期のほぼ横ばいで、2020年第1四半期では、前年比成長率の17%から減少している。「当社の主要な国々のほとんどにおいて、何らかの屋内退避勧告が発令されていたため、4月の傾向は、当社ユーザーの全地域にわたる弱さを反映している」と同社は語った。

 

Microsoftは、3月に見られた広告支出レベルの大幅な低下がこの四半期も続くと予想し、「検索とLinkedInに影響を与えるだろう」と述べた。

 

メディアバイヤーのマインド、クリエイティブな計画

4月30日にリリースされたメディアバイヤーを対象とした最新の調査で、IAB(Interactive Advertising Bureau/ネット広告業界団体)は、3月から6月までの広告支出計画について質問を行った。3月に行われた前回の調査と比較して、デジタル支出見込みには少し改善があったが、予測を下回っている。

 

IABの3月の調査では、バイヤーは、デジタル広告予算が第2四半期に平均33%削減されると予想していたが、4月の調査では、平均29%の削減と、わずかな増加が見られたことが示された。これとは対照的に、第2四半期における従来メディア支出予測は、3月の平均予想削減率39%から4月は44%と、減少している。

検索とソーシャルは、まさに回復に向かっているようだ。これらの予算は、まだ予測を下回っているが、下のグラフに示すように、今四半期の予定する削減は、2回の調査の期間中に大幅に縮小した。

 

IABは、ターゲティングとバイイング(買い付け)の戦術において、国や地域のジオターゲティング(位置情報をもとに、現在地に特化した広告や情報配信を行うマーケティング手法)への関心のみならず、プレミアムパブリッシャーとのダイレクトバイイングへの関心も高まっていることを見出した。ウィルスの影響と屋内退避勧告政策が異なることから、ジオターゲティングへの関心は当然である。

 

対照的に、デモグラフィック(人口統計学的属性)やオーディエンスターゲティングの購入に対する関心は、3月から4月にかけて低下した。これは、消費者行動の劇的な変化によって、既存のオーディエンスの効果が下がったことを反映しているのかもしれない。

 

支出の変化に関わらず、広告主の73%は、新たなクリエイティブアセット(広告コンテンツを提供するためにアップロードするファイル)を変更または開発していると述べた。クリエイティブを更新している広告主の58%は、広告で新型コロナウイルスについて言及し、または何らかの形で危機を反映する予定であると述べている。確かに、広告主は無神経にはなりたくないが、「この不確かな時代」について語っている広告の氾濫の中で、消費者がコロナ疲れになるのか、それともコロナに無頓着にでもなるのかという疑問が投げかけられている。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の5/1公開の記事を翻訳・補足したものです。

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