Amazon専門のマーケティング及び有料検索マーケティング担当者は、同プラットフォームでキャンペーンを管理している可能性が最も高いことがMarketing Landの調査で明らかに。

 

サンノゼ情報― Marketing Landがデジタル広告主を対象に実施した調査結果(2月19日に公表)によると、現在のAmazon広告主の81%が、来年の同プラットフォームへの広告支出を増やす予定であることが明らかになった。

 

Amazonへの広告予算増額を計画している広告主のうち、41%が、過去6〜12か月と比較して、25%増額を予定していると回答。22%は、25〜50%の増加を計画。また、10%は、Amazonへの予算を50%以上増額すると考えている。

 

これらの増加予測は、Amazon広告主を対象とした2018年の前回調査でみられた傾向と一致している。2019年には、Amazonの広告ビジネスは対前年比で40%成長し、約140億ドルに達したが、同プラットフォームは依然として、極めて初期段階にあるといえる。(これに対し、昨年Googleは1,350億ドルの広告収入を得ているが、その成長は鈍化している。)

 

現在Amazon広告キャンペーンを実施している155人のマーケティング担当者の回答を示す今回の調査結果のハイライトは、2月19日午前にSMX West(検索マーケティングのエキスポ)において発表された。

 

増分予算の増加:Amazon広告予算を増額予定の広告主の半数以上は、予算増額分は、追加資金源から充当すると回答。そして、31%は、追加予算は非デジタル広告予算から捻出されると述べている。有料のソーシャル予算と検索予算が受ける影響はそれほど大きくなく、21%が有料ソーシャル予算から、17%が有料検索広告予算から充当されると予測される。

 

 

成長可能性:調査対象となったAmazon広告主の大部分(66%)は、年間デジタル広告予算の4分の1未満をAmazonに割り当てている。また、34%の広告主は、デジタル広告予算の10%未満をAmazonに費やしている。

 

調査対象の広告主のうち、16%がAmazonサイトで商品を販売していないが、Amazon DSP広告を介してディスプレイ、および(または)ビデオキャンペーン(管理またはセルフサービス)を実行している。また39%が、Amazonセラーセントラル経由でAmazonサイトにて直接消費者に販売。14%がベンダーセントラル経由でAmazonに販売を委託している。そして、30%が両方のプログラムで販売を行っている。

 

最も人気の高い広告商品:当然のことながら、Amazonの検索広告フォーマットは引き続き最も人気となっている。広告主のほぼ90%が、スポンサードプロダクトを利用(87%)、68%が、スポンサードブランドを採用している。

 

ビデオは、確実に成長チャンスのある分野である。セルフサービス、または、マネージドサービスによるビデオは、Amazonの広告商品の中で最も普及率が低く、セルフサービスは31%、マネージドサービスは28%となっている。

 

誰が、Amazon広告キャンペーンを管理しているか?:Amazonキャンペーンを実施している広告主の約40%は、代理店であろうとインハウスであろうと、キャンペーンは専任のAmazonマーケティング担当者またはチームによって管理されていると回答。28%の広告主では、有料検索マーケティング担当者がAmazonキャンペーンを管理しているのに対し、18%は、eコマースマーケティング担当者が管理を行っている。

 

ストアベージ:今月初めにAmazonは、同プラットフォームをブランド広告主にとって魅力あるものにすることにフォーカスしていると述べており、「顧客が製品やブランドを発見する」のを支援するStoresおよびオーガニックPosts(ベータ版)ツールを強調している。Storesページの採用率の増加は、今回の調査結果にも現れている。67%のAmazon広告主が、自社またはクライアントが既にStoresページを持っている回答。別の18%は、今後6〜12か月以内に、Storesページをセットアップする予定としている。

 

広告効果測定:スポンサープロダクト広告の有効性の測定に関しては、61%が、Amazonの広告売上原価(ACoS)指標(広告費/売上高)に、58%が、売上高に基づいていると回答した。また、3分の1が、全体の利益の伸びに基づいて、Amazon広告の効果を評価している。

 

ただし、課題は何かと質問した場合、回答者の4分の1は、キャンペーンが機能していることを証明することが最も困難な問題の1つであると回答。

 

課題:Amazonプラットフォーム上でキャンペーンを実行する際に広告主が抱える上位3つの課題として、最適化手法、不適切なレポート、および、Amazonクライアントサービスからのサポートを受けることが挙げられた。また、Amazonは広告提供サービスの合理化に取り組んできたが、25%の広告主は、広告オプションの操作が課題であるとも述べている。

 

 

Amazonプラットフォームの最適化施策に対する不満が、広告主がサードパーティの管理ツールを採用する動機の一つとなっている可能性がある。現在、広告主の29%がAmazonキャンペーンの管理にサードパーティ・ツールを使用していると回答(2年前の調査結果22%から増加)。また、他の31%は、今後6〜12か月以内にそうする予定であると述べている。現在使用している管理ツールとして、最も頻繁に回答されたのは、IgniteKenshooPacvueSeller Labs、および、Sellicsとなった。

 

その他のマーケットプレイス:Amazon広告の3分の1(30%)未満が、他のマーケットプレイスでの販売を行っていないと回答。また、約40%が、Googleの比較的新しいShopping Actionsプログラム(39%)に参加している。これは、ユーザーがGoogleアカウントに保存されている決済情報でチェックアウトできる売上成功型プログラムである。続く2位は、EBayであり、32%のAmazon広告主が、同マーケットプレイスで販売を行っている。また、22%は、Walmart Marketplaceで販売。Walmartが、市場広告ビジネスの構築に注力しているため、その割合は増加する可能性がある。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の2/19公開の記事を翻訳・補足したものです。