サーチやソーシャル、動画広告といったフォーマットとチャネルが、デジタル広告の成長を牽引。金融、製薬、テクノロジー会社が最大の広告出稿主となる。

マーケティング会社Magnaは、2018年と2019年の米国の広告収入について強気の予測を発表した。調査では、デジタルメディアと従来メディア双方における、全ての主要な広告とメディアのカテゴリを対象としている。

 

特にデジタル広告の売上が増加

Magna社は2018年の広告の純売上高を、6.9%増の2,070億ドルという過去最高の売上になると予測。そして、初めてデジタル広告収入が米国の総広告費の50%を上回り、2018年のデジタル広告収入については総売上の51.5%である1,060億ドルに達するだろうと見積もった。

 

モバイル端末向けデジタル広告は、デジタル広告費全体の約3分の2を占め、前年比で30%の成長率を示している。同社によると、現在モバイル広告売上はテレビ広告を上回り、デスクトップ広告の2倍になっているとのこと。それに伴い、デスクトップ広告収入は、出稿減少と広告ブロックにより4%低下すると予測している。

 

Magna 社によるのカテゴリ別広告出稿費予測(2018-2019年)

 

サーチ、ソーシャル、動画広告が牽引

デジタル広告フォーマットでは、有料サーチ広告やソーシャルメディア広告、オンライン動画広告がそれぞれ18%、38%、27%増加したとMagna社。オンライン動画広告の一部であるコネクテッドTVの広告収入は40%増加し、20億ドルに達したことがわかった。

 

OOH(自宅以外の場所で接触する広告メディア)を除く、ほとんどの従来型メディアチャネル(テレビ、印刷物、ラジオ)の収入は減少した。OOHカテゴリでは、映画が12%、それ以外は3%の増加だという。

 

広告出稿費は、全業界において増加。Magma社は、2018年上半期の最大の広告出稿主として、特に金融や製薬、テクノロジー企業を挙げている。上半期における全業界の成長が6%だったのに対し、これらの業界では広告予算が15%から20%に増加していた。

 

なお同社は、2019年には全業界での広告売上が4%増加すると予測する。

 

マーケティング担当者にとって重要なことは何か。Magma社のレポートによると、すでに成長傾向のチャネル(主にデジタル)やフォーマットはさらに成長し続け、広告費が大幅に上昇する可能性があるという。また、需要の減少により従来型メディアの価格が下落し、買いのチャンスが生まれるという可能性も示唆している。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の9/20公開の記事を翻訳・補足したものです。