イギリスでは、2019年のホリデーシーズン期間のeコマース流通額が記録的に増加し、同シーズン中の全小売売上の28.2%を占めた。これにより、かつて最高記録であった25%という数字が塗り替えられた。米国の市場調査会社eMarketerニュースレポートによれば、ホリデーシーズンの小売総売上高は、992億6,000万ポンド(1,323億3,000万ドル)に達したという。

 

「実店舗の閉店により、買い物客のフラストレーションが高まり、その次の彼らが好む選択肢であるオンラインでの買い物へシフトしたのだ」。このように語るのは、eMarketerのフォーキャスティングVPのMonica Peart氏。

 

eMarketerのアナリストは、eコマースの売上急増はある意味、実店舗の人気低迷によるものとの見方をしている。2019年のホリデーシーズン中における実店舗の売上低下率は、10年前にeMarketerが英国の小売販売をトラッキングし始めて以来最大となる3.8%で、売上高は712億7,000万ポンド(950億200万ドル)。eMarketer は、2020年を通しての小売総売上高(自動車売上高も含めて)は、1.2%増加の4,873億ポンド(6,496 億6,000万ドル)と予測しているが、その成長率は、2015年以来最も低迷し、0.2%に留まる。

 

Peart氏は次のように述べている。「迫り来るBrexit(ブレグジット:英国のEU離脱)は、2年半にわたり小売市場に影響を与えているが、その結果はさまざまだ」。

「Brexitが近づくことによって、消費者支出の増加がみられた。しかし、他のケースでは失速の要因にもなった。2020年について明らかなのは、Brexitの影響に関しては引き続き不明確だということだ」。

 

実店舗の売り上げが引き続き減少すると予想される一方、2020年のeコマース売上は総売上高の8.9%を占め、1,140億2,600万ポンド(1,523億3,000万ドル)に達する見込み。mコマース(タブレットとスマートフォン経由のオンライン売上)は、UKオンライン売上の中において、史上初の50%を占めると予測されている。将来的にみると、2020年のmコマース市場規模は、タブレットの36.7%に対し、62.5%を占めるスマートフォンが牽引力となり、15.3%成長見込み。580億500万ポンド(773億8,000万ドル)となる予想である。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の1/23公開の記事を翻訳・補足したものです。