シェアリングエコノミーを地方発で盛り上げる「ダーリング」の狙いと戦略 | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
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更新日2020/01/20 公開日2020/01/14

シェアリングエコノミーを地方発で盛り上げる「ダーリング」の狙いと戦略

シェアリングエコノミーを地方発で盛り上げる「ダーリング」の狙いと戦略

 

日本では古くから「貸し布団」のサービスがあったことはご存じだろうか。最近では、あまり耳にしないが、昭和の時代には、実家から両親が来る時や、知人が泊まりに来るというときの為に、寝具一式を貸してくれるサービスが存在していた。最近になって、車や衣類、時計やバッグなどを貸してくれるサービス、いわゆるシェアリングサービスが流行してきており「所有しない」ことが当たり前になりつつあるが、そもそも日本にはそういったサービスが存在していた。

現代においてそのシェアリングサービスを早くから提供してきた企業の1つが、株式会社ダーリングコーポレーションだ。今回は株式会社ダーリングコーポレーションの事業企画部販売促進チーム主任の有路 卓氏と事業企画部Web・マーケチーム主任の信夫 真梨氏に、オンライン施策の経緯や戦略、さらには売上を上げるために注力していることについてお話を伺った。

 

※この記事はMAツール「EC Intelligence」を提供する株式会社シナブルの協力の元インタビューを行い作成したものです。EC Intelligenceに関するサービス資料は以下からダウンロード下さい。

 

 

株式会社ダーリングとは

 

株式会社ダーリングコーポレーションは山形県新庄市に本社兼店舗および倉庫を構える総合レンタルショップで、日用生活用品イベント用品まで、2千種類17万点の商品をレンタルするサービスを提供しており、順調に売り上げを伸ばしている企業のひとつだ。

インターネットが誕生したころに創業したのだが、当時は通信販売のような形態で電話やFAXで依頼を受け、商品を貸し出していたとのことだが、インターネットの普及と共に、いわゆるECサイトを通じて、依頼を受けた商品を、宅配業者のサービスを利用して全国の顧客に商品をレンタルサービスとして提供してきた。

取扱商品も様々で、生活様式も多様化してきたこともあり、これまでニーズの大きかったスーツケースやベビーカー、アウトドア用品だけでなく、車いすなどの介護用品、そして暖房器具などの季節家電からスキー用具まで、ありとあらゆる商品をレンタルすることで、モノを所有しないスタイルのユーザーに支持を得ているレンタル業界、シェアリングサービス業界の期待の企業だ。

 

 

ダーリングが作ってきたレンタルのオンラインマーケット

 

「株式会社ダーリングコーポレーションは、1997年に、先代の社長が「大量消費を続ける社会に問題意識を持ち、『モノを買う時代』から『機能を買う時代』へとライフスタイルの改革を提案する」ということをミッションとして掲げられ、レンタルショップ新庄店を開店したところから始まりました。実店舗を開店した頃、日本ではEコマースが普及し始めていたことから、2001年にインターネットショップを開始したところ、ネット経由での注文が爆発的に増えました。そのためダーリングコーポレーションでは、インターネット上の商売をメインに品揃えを拡充し、システムや倉庫等のインフラ整備を続けて参りました」(有路氏)

お話を伺ったところ、ご利用いただくお客様は、地元東北の利用よりも、関東圏が60%を超えており、関西・中部を加えた地域からの利用が90%に迫る割合となっているとのこと。成長の背景には、発達した宅配配送網により年間を通じ日本全国に安定したお届けが実現できるようになったこともあるようだ。

また、オンラインでの支払いということ自体に抵抗がなくなり、一般化してきたことも良い影響があったと考えられる。現在の決済方法は、クレジットカード、コンビニ支払、代引き、銀行振込とのことで、クレジットカード利用が圧倒的に多いとのこと。

設立からしばらくの間は、特定の何かに注力するというよりは、仕組み作りに邁進してきたことで、いわゆるEC化の伸びと同じようにビジネスも拡大を続けることができた。

そして、2015年に現在の木村社長が就任したことをきっかけに、さらなるECの強化が始まった。その後、サイトのリニューアルを進め、同時にデータ分析にも力を入れてきているとのことだ。

 

 

運営上で苦労している点/課題

 

ここでECサイトを運営している上での苦労について尋ねると、過去には、注文が増えた時の物流面での苦労があったという。注文件数が増えると、単純に集荷時間までに準備をしないといけないため、時間が足りなくなるという。この部分は、倉庫運用のフローを見直したり、人員手配をうまく対応するなどして改善を進めてきているとのこと。

次の課題としては商品の「完全単品管理」だという。商品自体を個別に管理することで、故障時の修理の管理なども、圧倒的にしやすくなるからだ。商品の管理をしやすくすると共に、どのお客さんにどの商品を貸し出しているかどうかを正しく把握することもできる、いわゆるトレーサビリティの向上も実現していきたいとのこと。それが実現できると、今、レンタル可能な商品の状況をサイト上で、短期間のうちに、すべて把握できる状況を作り出せる、すなわち、商品のサイクルがより細かく見える化されることで、回転率が良くなり、より多くの利益を出せるような体質に改善していくことができると考えているからだ。

 

 

SEOとOne to Oneマーケティングの強化

 

一方で、レンタルサービスと言えど、集客とCVRを向上させるという点では、一般的なECサイトと同じ対策が必要と考えており、その両方を上げていくために、データ分析にも注力しているという。お話を伺うと、かなり力を入れられていることが分かった。

利用者の90%以上がネットからの申し込み、しかも、オーガニック検索からの流入が70%ある為、検索エンジン対策は非常に重要なタスクであると考えているとのこと。ユーザーの傾向として、レンタルする期間は単発、短期での利用が多い傾向があるので、Googleの3次検索(集客しやすいカテゴリー)=ユーザーニーズに合わせるアプローチをメインに対応をしてきた。

「対「Google検索」を主軸に置いた運用をしていることもあり、ツールは、基本的にはGoogleのツールを使用しており、常にオーガニックの検索結果で1位を取れるようにしていきたいと考えています。また、オーガニック検索とCPCのバランスを見ながら、広告などもうまく利用していきたいと考えています。また、「所有」に対する意識(「購入」か「所有」か)についてのカッコよさは、時代とともに変化してきており、特に世代間での意識に相違があると感じている為、どのような人がどのようなタイミングで利用しているのかを細かく分析した上で、施策を考えたり、準備をしておく必要があると考えています」(信夫氏)

取扱商品のカテゴリーで考えた場合、以前は、強いカテゴリーが少しあったけれど、積極的にアピールしても思うような結果が出ないこともあったし、正直、まぐれ当たりだったカテゴリーもあったという。今後は、積極的にユーザーのニーズや行動を分析し、適切なタイミングに適切な商品をレコメンドしたり、キャンペーンを実施するなど、よりきめ細かいOne to Oneマーケティングも実施していきたいと考えているとのことだ。

また、カテゴリーを跨いでの利用が、まったくいない訳ではないが、あまり多くはないことも課題だと考えている。この商品以外にもこの商品をレンタルしてみてはどうか?という提案が必要と考えている。そのためにも、カテゴリーを跨いだ分析を行う必要がある。

そういった、やや複雑なデータ分析を進めていく上で、直近のサイトリニューアルでは、EC Intelligenceにすべてのデータを自動連携させるようにしたことで、よりスピーディに、効果検証を行い、次の施策検討をするまでの動きを一つにまとめることを実現できるようにしたとのこと。

例えば、ランキング表示についても、購入ベースでも閲覧ベースでも解析することが可能なので、その結果に基づいたコンテンツを掲載することができる。サイト内検索の結果に基づいたサジェストの提示についても同様に可能だ。

また、特定の条件のユーザーに対して、商品をレコメンドする為のクロスセル/アップセル分析も、BtoBやBtoCの区分、商品カテゴリー、年齢層など、予め複数のきめ細かい条件をセットしてくことで、自動的に抽出され、対象のユーザーに沿ったアプローチが可能になっている点は、非常にありがたいという。

また、DMの送付や電話営業も行っているが、週2回のメルマガ送信や、新商品を販売開始する際にメールを送信しているが、これまでに比べ、対象の抽出から分析し、送信するまでの作業が非常に簡潔になったという。

「複数の機能が一つのツールとしてまとまっているので、まずはそれがすべてにおいて、作業しやすくありがたいです。まだまだ、使いきれていない機能があるうちに、新しい機能が追加されることもあるので(導入時よりも10倍くらい増えているとのこと)、早く使い込んで、フィードバックしていきたいと思っています。Googleが提供しているサービス内容を、いかに早く、自分達で実現できるかどうかということを考え実践していければと考えている」(信夫氏)

 

 

ダーリングのこれから

 

今後はベビーのカテゴリー利用もニーズがあるので強化していくなど、ユーザーの様々なシーンに応じたサービスを提供することで、LTVを上げていきたいと考えているとのこと。

2018年に別ブランドサイトとして切り出した、ドレス専門サイト「ドレリーナ」は、本体サイトと比較しても良い結果が出ているので、引き続き延ばしていき、今後は他ジャンルとの連携なども視野に入れていきたいとのこと。

また、対象ユーザーとしては、法人からの需要も増えてきていることもあるので、BtoB向けのサービスも強化していきたいということも考えている。そして、増収増益させた上で、次のビジネスを広げていきたい意向をお持ちのようだ。

また、システムの面では、これまで「集客」をメインの目的にしたツール利用をしてきたが、今後は、コンバージョンを向上させるために積極的にツールを利用して結果を出していきたいと考えているとのこと。

いい接客をして、CRMを実現し、CVRを上げていきたいと考えているというシェアリングサービスの老舗の、さらなるチャレンジと、事業拡大に期待していきたい。

 

 

ダーリングで利用されている「EC Intelligence」とは

 

株式会社シナブルが提供するMAツール「EC Intelligence」は、様々な機能をオールインワンで利用できるMAツールだ。

サイト内検索・レコメンドから、メール配信、LINE配信、Web接客、ABテスト、BI、広告効果分析など、分析・検証から施策までトータルにPDCAが回せるソリューションで、あらゆるツールを統合的に組み合わせたサービスを提供している点が最大の特徴だ。

MAツールは、大きく分けてCRM(メール配信)系、Web接客系、サイト内検索/レコメンド系の3つのカテゴリに分けられるが、CRM系とWeb接客系を組みわせたMAは存在しても、サイト内検索/レコメンド系まで網羅しているMAは数少ない。シナブルは、サイト内検索/レコメンド系までを含めて対応できるため、ECサイト運用に非常にFITする。MAツールは、本来メールからWeb接客、レコメンド、ECのシステムまであらゆることを理解した上で総合的にサポートしなければならないと考えているシナブルでは、施策の立案から運用サポートまでしっかり行ってくれる。

また、もう一つの大きな特徴は、これまでに、大手企業のEC構築プロジェクトを100サイト以上も経験しEC事業者の課題や悩みを知り尽くし、それらを解決する機能開発を20年も行ってきた、言わば「ECを熟知したメンバー」が企画・開発を行っているという点にある。そのためシナブルは、EC事業者の状況に応じた導入支援や運用サポートにも定評があり、MA導入から施策開始までの平均期間が他社と比べても短いという点でも、評価を得ているようだ。

 

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