昨年(2018年)、全世界での小包取扱数は870億個に達し、そのうちの93億個が欧州諸国から発送された。欧州地域でその数が最も多いのはイギリスとドイツで、昨年は双方の市場で35億個の小包が発送された。

 

小包発送数を世界的にみると、2017年の740億個から、昨年は18%増加し870億個に達している。これは、郵便発送業務の効率改善のためのソリューションを展開し、世界200万社以上でその導入実績があるPitney Bowes社がShipping Index(世界13か国において最大31.5kgの重量の、B2B、B2C、消費者間、および消費者委託貨物の小包量と支出を測定するもの)を開始して以来、最高値を記録した。同社は、この小包発送数が今後6年以内に2倍になると予想。2025年までに約2,000億個の小包が出荷されることになるということだ。

 

【イギリス】1人あたり53個の小包を発送

欧州においては、イギリスとドイツで最も多くの小包が発送されている。昨年、両国から35億個の小包が発送された。この数は、イギリスの場合、前年比12.4%増を意味する。これは、年単位では2番目に高い数値であり、一人当たり53個の小包が発送されたことになる。イギリスの小包配送市場は高度に統合されており、大手5社の運送業者(イギリスの郵便事業会社Royal Mail、ドイツの物流大手Hermes、Amazonへの注文に応じて物流業務サービスを行うAmazon Logistics、ドイツの国際輸送物流会社DHL、アメリカの貨物運送会社UPS)が小包取扱数の約75%を占めている。

 

【ドイツ】大手6運送業者が小包取扱数の98%を占める

ドイツもイギリスと同様、昨年は約35億個の小包を配送。同国は、市場全体の約65%を占める欧州最大のB2Bセクターも保有している。そして、このセクターでは上位6つの運送業者(DHL、Hermes、UPS、フランスの小包エクスプレス事業者DPD、Royal Mailのグループ会社で、欧州でのB2B向け小包ロジスティクス、エクスプレスを提供するGLS、および米国物流大手のFedEx)が国全体の小包取扱数の98%を占めている。

 

【フランス】La Posteが小包出荷数の45%を占める

フランスでは、小包取扱数が前年比5.6増に相当する13億個に達した。昨年は、フランス郵政公社La Posteが全出荷数のおおよそ半数(45%)を占めた。

 

【イタリア】デジタルインフラストラクチャの改善により小包取扱数が増加

イタリアでは、2018年の小包取扱数が、前年比で10.4%増加し、一部の配送企業では二桁の成長率を達成。昨年、イタリアから発送された小包は8億6,500万個。Pitney Bowes社によると、イタリアのB2Cにおける小包発送数大幅増加の要因は、政府による同国デジタルインフラストラクチャ(電子取引商に必要な決済システムや、IT全般の技術基盤、パソコンやスマートフォンなどの通信網など)の近代化に向けた投資の増加であるという。

 

【ノルウェー】小包取扱数は8.9%増加

ノルウェー では、小包の出荷数が2017年から9%増加し、昨年は6,100万個に達した。国内最大の宅配便業者であるPosten NorgeについてPitney Bowes社は、「インフラストラクチャへの投資、ラストマイルデリバリー(物流における最終拠点から顧客への配送)の改善、電気自動車はPosten Norge(ノルウェーの運輸通信省が所有する郵便サービス会社)の重点分野だ」と言及している。

 

【スウェーデン】小包出荷数は1億2,700万個

スウェーデンでは昨年、小包取扱数が1億2,700万個に達し、2017年から12.5%増加した。同国の市場も非常に統合されている。主要プレーヤーであるスウェーデンの郵便事業会社PostNordは、国の小包出荷数の85%を占めるという。

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の10/18公開の記事を翻訳・補足したものです。