デスクトップ端末におけるディスプレイ広告のビューアビリティ(広告ユニットの50%が1秒間以上表示、大型ディスプレイ広告フォーマットでは広告ユニットの30%、動画広告の場合には広告ユニットの50%が2秒間以上表示)が、2019年上半期に70%を超え、英国においては、前年比7.5ポイント増加で70.9%のビューアビリティを達成した。この数字は、デジタルメディアの品質評価・広告検証事業を行う米国企業Integral Ad Science(IAS)が発表した2019年上半期のMedia Quality Reportに基づいている。

 

カナダにおけるビューアビリティは73.6%で首位、ドイツは69.4%で3位となった。印象的なのは、2019年上半期におけるビューアビリティの世界平均が、すべてのフォーマットと環境において60%を超えていることである。広告主の要求に応じた品質向上に向けた世界的な取り組みによる結果といえるだろう。

 

英国においてはモバイルアプリエンゲージメントが最も高い

英国では、モバイルアプリ内環境において22.52秒という最長のインビュー時間(ユーザーが実際に目にする位置に広告が表示された時間)を実現。英国のデスクトップ端末におけるディスプレイ広告のインビュー時間は21.67秒となり、世界平均の23.53秒をわずかに下回った。

 

引き続き2019年上半期も英国のブランドリスクは着実に減少し、ディスプレイ広告に関しては、2018年上半期の4.5%から1.7ポイント減の2.8%。これにより、英国は世界のリスクランキング3位となり、トップはイタリアで1.9%、続いてオーストラリアが2.5%、広告が不適切なコンテンツの横に表示される割合は、世界平均である4.7%を大きく下回っている。

 

動画の場合、不適切なコンテンツの横に表示された広告インプレッションは、約1/10(9.8%)となった。しかし、今年は昨年と比較した場合、依然として、0.8ポイントの減少(10.6%から9.8%)が見られた。イタリアでは、デスクトップとモバイルにおける動画のインプレッション全体で低リスク(それぞれ3.2%、4.9%)を維持し続けている。

 

Integral Ad ScienceのEMEA、(ヨーロッパ、中東及びアフリカ)マネージングディレクターであるNick Morley氏は次のように述べている。「2019年上半期のMedia Quality Reportは、英国のブランドリスクは着実に低下している一方、ビューアビリティレベルは上昇し続けていることを示している」。「世界的に比較すると、英国は一貫してトップランキング入りしており、現在の英国のデジタル広告がいかに高品質かを示している。精度が高く、またグローバルな質の高いこうしたインサイトより、ブランドは分断されたエコシステムにおいて堅実な広告投資をすることができ、確実に大きなリターンを得られるのだ」。

 

広告詐欺に対し最適化されたメディアを購入する場合、ビューアビリティレベルは前年の0.7%から0.2%ポイント上昇し0.9%。こうした結果にも拘わらず、世界平均の1.1%と比較して、英国では、デジタル広告市場おける認識度の高まりにより詐欺広告が減少している。広告詐欺が最も少ないニュージーランドでは、リスクはわずか0.4%に過ぎない。一方で、日本は、広告詐欺によるインプレッションが2.6%を占め、最下位となった。

 

Integral Ad Scienceが発表した2019年上半期Media Quality Reportでは、ブランドセーフティ、詐欺広告、そして、ディスプレイ、動画、モバイル、及び、ウェブ広告におけるビューアビリティの傾向にフォーカスしている。このMedia Quality Reportは、2019年1月1日から6月30日までに実行された広告キャンペーンおける、全世界の膨大な数のインプレッションデータを分析したものである。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の9/5公開の記事を翻訳・補足したものです。