欧州において、eコマース市場の成長が最も著しい国はチェコ共和国と予想されており、同国のオンライン小売業界は、現在から2021年の間に16%の成長が見込まれている。これは、他のどの欧州市場よりも高い成長率だ。

 

欧州eコマース市場は依然として力強い成長を続けているものの、イギリス(9%)、フランス(10.5%)、ドイツ(7.3%)など、よりeコマースの成熟した市場ではそれほどの成長はみられない。しかし、米国ニューヨークに本拠地を置く投資銀行J.P. Morgan調査によれば、調査対象の欧州18カ国のうち10カ国においては、現在から2021年の間に2桁成長が見込まれているという。eコマース市場の成長率は、チェコ共和国においては16%、その他、イタリア(14%)、スペイン(13.5%)も同様に急成長が予測されている。

 

欧州のeコマース年平均成長率


Mコマース(モバイルコマース)はeコマース市場成長の原動力

J.P. Morganによれば、欧州では、モバイルコマースがeコマース市場の成長を牽引しているという。例えば、イギリスやチェコ共和国において、現在、モバイル端末はオンラインショッピングの際に最も好まれているデバイスだ。そして、アイルランドやノルウェースウェーデンでは、モバイル端末にて完了されたeコマース取引の割合がそれぞれ42%、39%、41%となり、ショッピングデバイスとしてスマートフォンを利用することは消費者の間で非常に一般的なのだ。

 

 

欧州で最も利用されている支払い方法は、依然としてカード決済

この調査によると、欧州では依然として、カード決済が最も利用されている支払い方法だという(カード決済が最も多く利用されている支払い方法である国は、18カ国のうち11カ国にのぼる)。しかし、デジタルウォレットによる支払いも急成長を遂げている。カード決済は、デンマーク(eコマース決済の63.4%を占める)、アイルランド(60%)、及びイギリス(53%)において特に一般的な支払い方法だ。

 

フィンランド、スイス、オランダといった国々においては、銀行振込が非常に一般的な支払い方法である。消費者が商品の受け取り後に支払いを行うオープンインボイスと口座振替による支払いがオンライン売上の40%を占める。そしてイタリアでは、オンライン購入のおおよそ3分の1がデジタルウォレットを利用して行われている。

 

現金支払いを好むチェコの消費者

チェコ共和国は最も高い予測年間複合成長率を示しているが、支払い方法の近代化に問題が生じる可能性がある。なぜなら、現在のところチェコの消費者の間で非常にポピュラーな支払い方法は、現金支払いなのだ。チェコ共和国では、配達時の現金による代金引換が最も一般的な支払い方法。現金による代引き現金支払いが全取引の45%を占めているという。

 

※当記事は英国メディア「Ecommerce News europe」の7/18公開の記事を翻訳・補足したものです。