アリババグループが2019年6月19日、淘宝網(Taobao)と天猫(Tmall)で開催した「618商戦」において、20万以上のブランドと店舗がキャンペーンに参画し、史上最大規模となったことを発表。また、マーケティング・ソリューションの活用により、110以上のブランドが1億元の取引高を突破したようだ。

 

<参考>

淘宝網(タオバオ)・天猫で「618商戦」開催中。20万ブランド、約150万の新製品を展開した大規模商戦

 

 

今年の「618商戦」の主な実績

2019年商戦のトレンドとして、新興地域に住む消費者の購買力の伸びが著しく、中でも地方小規模都市や、農村部などの購買者数、購買金額ともに昨年同期比100%増となった。また、天猫国際でも地方小規模都市の消費者による輸入商品の取引高が昨年同期比153%増となった。上記のように新興地域での増加が著しいのは中国国内の都市別の取引高ランキングでも見て取れる。主要都市である上海、北京、広州、深セン、杭州、成都、重慶、蘇州、武漢、南京が上位10都市だったが、取引高の増加率ランキングでは、新興地域が上位10都市を占めた。さらに、今年の618商戦では150万以上の新商品が発表され、うち48%以上の商品は主要都市以外の消費者が購入している。可処分所得の増加により、新興地域の消費者の購買力は伸び続けており、よって、今年の618商戦を牽引する形となった。

また、Luxury Pavilionは取引額が1.4倍増加し、新興地域における25歳以下の消費者が主な購入者層である。Versace旗艦店も昨年同期比20倍程度増加したとのこと。

地方や新興地域の購入者は近隣住民と共同で商品を購入する慣習のある中国だが、その慣習に即した共同購入サービス「ジュファサン」が、消費者から反応が良く、売上が伸びたという背景もあったようだ。

また、越境ECモールの天猫国際では、「618商戦」期間中、日本、アメリカ、韓国、オーストラリア、ドイツブランドがTOP5位にラインクインした。中でも国地域別の海外ブランド売上ランキングでは、日本が1位を獲得するなど躍進が目立った。日本のブランドでは、花王のキュレルが昨年比245%増、小林製薬が同192%増、任天堂が同182%増などが売上を順調に拡大。中でも、任天堂のゲーム機Nintendo Switch、ドクターシーラボの美容液、資生堂のSK-IIの化粧水、ヤーマンの美顔器などが売上を牽引したようだ。

 

 

100以上のブランドでは、天猫での売上が昨年の独身の日の売上を超えるなど、「618商戦」は、「独身の日」の規模に匹敵する一大イベントとなったと言える。

今回の商戦でより多くのブランドを新興地域へ浸透させ、地方小規模都市での消費者数および購入金額は、昨年同時期比で100%以上に増加した。今後も、企業において、中国市場の開拓は地方小規模都市の消費者が重要なターゲットとなるだろう。また、中国にとっても新興地域の消費者の購買力は中国消費者の購買力の継続的な成長において大きな役割を果たすのは間違いない。