CRMツール導入後9割は鉄板施策を未導入、この現状をどのように打破し、リピートを効果的に獲得していくべきかを考える

 

CRMツールは今や多くのECサイトへの導入が進められている。特に最近では裾野が広がり、中小規模のECサイトへの導入も目立つようになってきた。しかし一方で、CRMツールが活用されず放置されたり、成果が出ているのか検証がしっかり行われないまま日々稼働しているだけの状態になっているサイトも多いのではないだろうか。そこで今回は、CRMツールの「運用フェーズ」でどのように成果をあげていくべきかを考えていく。

 

※この記事はCRMツールを提供するアドブレイブ社の協力のもと、CRM事業責任者・中村隆嗣氏にお話を伺い、CRMツールの現状と課題について考察し、運用フェーズにおいてEC事業者が気を付けるべきポイントの一部を紹介した記事である。ここで紹介する事例を含むアドブレイブ社に関する資料は、以下からダウンロード下さい。

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そもそもCRMツールとは

 

EC業界における「CRM」は、一般的な「CRM」よりも若干狭義の意味で使われるケースが多い。CRMはCustomer Relationship Managementの略で、顧客関係管理と訳される。広義な意味でのCRMは、企業と顧客の関係性に着目し、顧客の満足度やロイヤリティを高めていくことで、企業の売上や利益を最大化していく取り組み全般を指す。一方EC業界におけるCRM、そしてCRMツールというと、ECサイトへ来訪した見込み顧客や、実際に商品を購入した顧客に対して、再来訪を促し、再度購入を促す取り組みにスコープがあてられており、CRMツールとはそれを実現するためのツールという立ち位置となる。ECにおける、売上や利益の最大化は、リピート顧客を育成してLTVを高めることとほぼ同義となるケースも多いため、そのような意味で使われてきているようだ。

 

 

どれほどCRMツールは放置されているのか

 

近年、CRMツールは多くのEC事業者への導入が進み、CRMツールの数も非常に多くなっている。しかし、一方で導入されたCRMツールがあまり活用されずに放置されているケースが多いというのはマーケターの中では今や常識だ。実際にCRMツール導入済みサイトを調査してみると、90%以上において、全配信メールか基本的なステップメールのみにしか利用されていないことが明らかになっている。

 

 

 

CRMツールをECサイトの運用フェーズで活用する際によくある課題

 

それでは、CRMツール導入後の運用フェーズで、どのような課題に直面するケースが多いのだろうか。基本的には「時間がない」「ノウハウがない」の2つの原因に集約される。

 

時間がない

CRMツールが導入されたからと言って、その運用担当者はその運用のための時間を新たに与えられないケースがほとんどだ。多くのケースにおいて、CRMツールは導入すれば成果が出ると考えられており、運用にそれほど手間がかかるということを経営層は理解できていないからだ。そのため、導入が終わってから、いざ設定する段になり、ツール設定や運用が思ったよりも煩雑であることに気が付く、という展開が多い。

また、ある程度ツールの設定を行って無事に運用フェーズに入ったとしても、そもそもそれほど簡単に成果が出ず、頻繁にチューニングを行う必要があるなど思ったよりも時間と手間をかけていく必要がある。そしてしっかりと運用体制が必要だと交渉をしてもなかなか受け入れてもらえない、ということも多いようだ。

 

ノウハウがない

CRMツールの運用には思ったよりもノウハウが必要となる。導入に際してはそのことがよく理解されていないケースが多いため、ノウハウがそれほどない社内の担当者で気軽に運用出来ると誤解されていることも多い。逆にCRMツールに過度の期待を行うケースも多く、ありとあらゆる施策を設定してしまい、PDCAサイクルを回してしっかりと個別の施策を分析することが出来なくなるなども、よくある課題と言える。

 

 

CRMツールをECサイトの運用フェーズでスムーズに活用するための考え方

 

しかし、スキルを上げるために勉強をしたり、時間がないから担当者を増やすなどの対応は一般的な企業ではそんなに簡単に行うことは出来ないだろう。導入したCRMツールを放置もせずに、最低限の成果を出しながら、社内でもその意義を認知させていくためには、取り組み自体をフェーズ分けして考えていきたい。

フェーズ1

いきなりノウハウも時間もかかるような重めの施策を行うことはおすすめしない。あくまで最初は効果が出やすく、手間もかかりにくい鉄板シナリオの実施に注力していくべきだ。具体的な鉄板シナリオの中身は後述するが、基本的な施策を行い、成果を見える化することで、社内でもCRMツールの意義を理解してもらうことも重要だ。

 

フェーズ2

社内でもCRMツールの認知が高まった段階で、多少手間やノウハウの必要な施策に着手していきたい。このフェーズでは可能であれば外部のベンダーにプランニングや実装、運用を委託することなども必要になってくるだろう。各社の状況に応じて、ある程度きめ細やかなシナリオ設定などが必要になってくるからだ。

 

フェーズ3

最終的にはインパクトの大きいメールで成功したシナリオを、各種オンラインチャネルへの展開を実施していくことで、より有機的なマーケティング施策の実現が可能になってくるだろう。ここでもむやみにチャネルを広げるのではなく、徐々に成果を見極めながら広げ、各チャネルをしっかり連携管理しながら効果を創出していく必要があるだろう。

 

 

CRMツールの運用フェーズで成果の出やすいシナリオ

 

ノウハウも時間もないことが多い、CRMツールの導入初期に積極的に設定していきたい鉄板シナリオとはどのようなものなのだろうか。上述したフェーズ1で業種を問わず設定して効果が見込める5つのシナリオをここでは紹介していく。

 

カゴ落ちメール

「カゴ落ち」とは、お客様がECサイト上で買い物かごに商品を入れたにも関わらず、購入をしないで離脱した状態だ。一般的にこの「カゴ落ち」の割合は6割とも7割とも言われており、EC事業者からすると、最も購入に近付いた状態から離脱されてしまうという一番もったいない状態とも言える。カゴ落ちメールは、カゴ落ちした顧客と商品を抽出し、カゴ落ちした当日の最適な時間帯にメールを配信することで、再来訪を促し購入の確率を上げるものだ。

 

閲覧リタゲメール

お客様が商品詳細ページを閲覧した状態というのもEC事業者からすると、お客様が購入にかなりの興味を示しているタイミングと言える。そのため、商品詳細ページを閲覧したにも関わらず購入しないで離脱した顧客と商品を抽出し、閲覧翌日の最適な時間帯にメールを配信し、再来訪を促し購入の確率を高めるものがこの閲覧リタゲメールだ。

 

ポイント明細メール

一定数以上のポイントを保有している顧客に対して保有ポイント数を有効期限を月に一回定期的にメールでお知らせする施策だ。ポイントのお知らせという内容はお客様から見てもそれほどPUSH色の強いものではないため、比較的開封される確率が高まるため、どのような業種においても効果的な施策となる。

▲アクションリンクのポイント明細メール設定画面

 

ポイント有効期限メール

さらに効果的なのがポイントの有効期限をお知らせするメールだ。皆さんも大手モールからこの手のメールが送られてきたことがあるのではないだろうか。これはポイント有効期限間近の顧客を抽出し、有効期限と残ポイント数を記載したメールを、期限内にステップメール形式で配信していく。

 

バースデーメール

最近では、誕生日当日になると多くのEC事業者からのメールを受信する、という人も多いはずだ。バースデーメールは顧客にとってみてもそれほど悪い気はしないもので、その中には何らかのプレゼントがあるのではないかという期待感も醸成されている。そのため、誕生日の顧客を抽出し、お祝いのイメージとプレゼント替わりのインセンティブを明記し、当日の朝一番に配信する、このバースデーメールも効果が期待できるものだ。

 

※上記鉄板施策の具体的な成果については、ダウンロード資料に含まれます。

 

 

CRMツールの運用フェーズでどのように成果を上げていくべきか

 

CRMツールは導入するだけで成果がすぐに出るものではなく、導入後しっかりと運用していくことで成果を作り出していくものだ。そして運用時にいくつかの基本的な成果の出し方を理解して進めるかどうかによって、大きく結果の出方が変わってくる。CRMツールの選定時についつい実装機能の豊富さだけで選んでしまうことも多いが、一番大事なことは、運用フェーズでどれだけ負荷が少なく成果を出せる効果的な運用が出来るか、というポイントになるだろう。CRMツールの導入に際しては、これらのポイントをしっかり理解して進めていく必要があるだろう。

 

 

CRMツールの運用フェーズを劇的に改善する「アクションリンク」

 

アクションリンクは、CRMツールの運用フェーズに陥りがちな課題を解決することに特化したeコマースのLTVを最大化するCRMプラットフォームだ。

アクションリンクは「生産性向上に資する革新的サービス開発」として中小企業庁に認定されるなど、中小企業のオンラインマーケティングにおける課題を解決することに軸足を置いたCRMツールだ。

CRM事業責任者の中村氏の豊富な経験が全てツール機能として落とし込まれており、eコマース向けに専用設計された分析レポートの提供や、初心者でも簡単に操作できるターゲット抽出機能などあらゆる機能が運用負荷を軽減する視点で構築・提供されている。

 

※ここで紹介する事例を含むアドブレイブ社に関する資料は、以下からダウンロード下さい。

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