株式会社メルカリは全国のフリマアプリ利用者・非利用者1,648名を対象に「60代以上のフリマアプリ利用実態」に関する意識調査を実施。その結果を公開した。

なお、同調査は慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科前野隆司教授監修の下、実施。

 

アプリを利用する60代は20代と同等のITリテラシー

まず、フリマアプリ利用者の実態に関して資産額を集計したところ、60代以上の利用者の平均資産額は約2,500万円、非利用者は約2,100万円であった。就労意識に関しては、60代以上のフリマアプリ利用者の50.0%が「年を重ねても働き続けたい」と回答している一方で非利用者では38.8%に留まる結果となり、利用者は非利用者と比較して就労意欲が高いことが伺われる。また、チャレンジ意識、幸福度ともにフリマアプリ利用者が非利用者よりも上回る結果であった。さらにITリテラシーに関しては、「インターネットやWEBサービスを使いこなしている」と回答したした人が60代以上のフリマアプリ利用者では61.8%、20代の場合は61.4%と、フリマアプリを利用する60代は20代と同程度のITリテラシーを持ち合わせていることがわかった。

 

アプリ利用を通して社会とのつながりを意識する60代

続いて、フリマアプリ利用後の意識変化について20代と比較。この結果、60代以上がフリマアプリの利用を始める目的第1位は「不用品の処分(79.6%)」、続いて「欲しいものをお得に購入(51.7%)」、「お金を得る(35.0%)」であった。一方20代は、第1位に「お金を得る(71.6%)」、次いで「不用品の処分(67.7%)」、「欲しいものをお得に購入(38.8%)」であった。60代と20代の間で「お金を得る」利用目的には約2倍の意識差がみられた。

さらに「フリマアプリを利用して、あなた自身に起こった変化」についての自由回答で寄せられた回答には、他者とのつながりを意識するものがみられた。例えば、既に他界した自身の祖父が趣味で集めていた壺、花瓶、茶碗といった陶器を数百点ほど所持していた74歳男性は、フリマアプリを通じて購入してくれた人と交流が続いているという。処分するにも業者が決まらなかった物でも、アプリ上で購入を希望する人がおり、眺めたり使ってくれる人がいることがお金を得ることよりうれしいのだという。その他に、出品した商品のお得意様ができたり、同じ趣味の人と会話ができる、交流を通じた情報収集ができる、アプリ利用に頭を使うため認知症予防になるといった声が挙げられていた。

 

今回の調査では、60代のフリマアプリ利用者と非利用者の間では、生活面での意識差がみられ、アプリを通じて「人とのつながり」を重視する人が多いことが明らかとなった。20代~30代の利用を中心に市場を拡大してきたメルカリだが近年60代以上の利用者が増加している。「生前整理」や「終活」のキーワードで出品される商品が過去1年間で約2.5%(2018年1~12月実績/2017年同時期比較)であるという。今回の調査からもわかるように、不用品の処分を目的としたフリマアプリで新たな繋がりを見出し、楽しみを見出すという60代利用者の実態が伺われる。