【2019年最新版】国内のECサイト・ネットショップの総稼働店舗数
ネットショッピング市場は依然として右肩上がりの成長を見せている。そんな中、多くの企業がネットショッピングサイトを開店・運営し、市場にはネットショップ・ECサイトが百花繚乱となっている。しかしながら、国内でどの程度のオンライン店舗が稼動しているのか、正確な数値は公表されておらずなかなか分かりにくい。そこで今回は国内のECサイト・ネットショップの稼動店舗数を見ていき、国内の総店舗数の現状を明らかにしていきたい。この記事は2017年版に引き続き2回目の調査レポート記事となる。
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モール
日本において消費者がネットショッピングを行う際に最も利用されることが多く、認知もされているのが、ショッピングモール形式の店舗だ。モールは複数の小売店舗を束ねて1つの塊にしたもので、実店舗で言うところの百貨店の形態に近いモデル。集客力があり、店舗同士が熾烈なポイントや価格での競争を行っている。このモール形式の店舗数を多い順に見ていこう。
Yahoo!ショッピング 店舗数:87万2,889店舗 (2019年3月時点)
Yahoo!ショッピングは、Yahoo!JAPANの運営するオンラインショッピングモールで、初期費用や毎月の固定費、売上ロイヤルティなどが無料という特徴があるモールだ。Yahoo!ショッピングを運営するヤフー株式会社の決算説明会資料によると、Yahoo!ショッピングのストア数は2019年3月末時点において87万2,889店舗である。この2年で81%も増えたことになる。
Amazon Japan 店舗数:17万8,000店舗 (2015年6月時点)
Amazon Japanは、世界でも最大手の一つのインターネットショッピングモールであるAmazonの日本版だ。AmazonはAmazonが売主になっているベンダー形式と、Amazonに小売業者が出店する形式のマーケットプレイス形式の2パターンが共存している、世界でも珍しいショッピングモールだ。2015年8月の記事によると、Amazon Japanの店舗数は2015年6月末時点で17万8,000店舗だ。しかし2019年現在もそれ以降の情報は公開されていないため推測は不可能となっているが、近年のマーケットプレイスビジネスの好調さから店舗数はこの当時の1.5倍~2倍程度になっていてもおかしくはないだろう。
楽天市場 店舗数:4万7,007店舗 (2018年12月時点)
楽天市場は、楽天グループの運営するショッピングモールで、日本でも最も古くから運営されているサービスの1つだ。さまざまなサービスによる、「楽天経済圏」を持つことが特徴である。楽天の投資家向け発表によると、楽天の出店店舗数は2018年12月末時点で4万7,007店舗である。この2年で5.5%増加したことになる。
Wowma! 店舗数:1万5,000店舗 (2019年3月時点)
2017年にDeNAショッピングから、名称変更・統合されたWowma!。eccLabの調査によると、Wowma!の店舗数は2019年3月末時点で1万5,000店舗である。
Qoo10 店舗数:1万1,000店舗 (2017年12月時点)
Qoo10は、ebayジャパンが2018年に運営母体となっている、海外の商品が多いという特徴を持っているモールだ。2018年3月の記事によると、Q0010の店舗数は2017年末時点で1万1,000店舗である。
その他のモール店舗数
ポンパレモールの店舗数は、運営責任者へのインタビュー記事によると2018年3月時点で2,571店舗である。
ZOZOTOWNの店舗数は、ZOZOTOWNを運営する株式会社スタートトゥデイの決算説明会資料によると、2018年12月末時点で1,255店舗である。
47CLUBの店舗数は、公式サイトの店舗一覧によると、2019年5月時点で1,024店舗。
ヤマダモールの店舗数は、公式サイトのショップ一覧によると2019年5月時点で217店舗。
モール形式を取るその他のサービスにはSHOPLISTやぐるなび食市場、その他ハンドメードマーケットECなど多数存在する。それらの店舗数は合計で1万店舗以上にのぼるとeccLab編集部では推測する。
この結果、モール店舗数合計は113万8,963店舗となった。Yahoo!ショッピングは76.6%、Amazon Japanは15.6%、楽天市場が4.1%を占め、この上位3モールでモール全体の96.4%を独占していることになる。Yahoo!ショッピングの割合は前回調査時点よりも12ポイントも増え、モールの中では益々存在感を増してきているようだ。
<参考>
EC業界カオスマップ「ECモール&プラットフォーム編」
ショッピングカート
ショッピングカートは、非常に簡単にECサイトを開店することができるサービスで、カート・決済機能とお店の見た目の設定などを行うことが出来る機能がセットになったものだ。少しの設定を行うだけで、最低限の店舗を開店することができるため、モールではない独自の店舗を開店したい多くの事業者が利用している。このショッピングカート形式の実稼働店舗数を多い順に見ていこう。
カラーミーショップ 店舗数:4万店舗 (2019年3月時点)
カラーミーショップは、「日本で一番選ばれる」ことをキャッチコピーとした、個人から法人まで対応できるネットショップ作成サービスだ。GMOインターネットグループのGMOペパボ株式会社が提供している。公式サイトによると、2019年3月時点のカラーミーショップの導入店舗数は累計14万8,811店舗ということがわかる。さらにeccLabの調査では、稼働店舗数は約4万店舗となっている。
MakeShop 店舗数:2万2,000店舗 (2019年3月時点)
MakeShopは、「7年連続日本一売れている」ことをキャッチコピーとしたネットショップ構築サービスだ。カラーミーショップと同様にGMOインターネットグループのGMOメイクショップ株式会社が提供している。MakeShopの会社概要ページによると、MakeShopの導入店舗数は2019年3月時点で2万2,000店舗である。
CS‐CART 店舗数:1万7,500店舗 (2019年5月時点・推測)
CS-CARTは、13年以上のサービス提供の歴史があり、対応言語も27言語と豊富で越境EC立ち上げにも向いているショッピングカートサービスだ。公式サイトによると、2019年5月時点の導入店舗数は3万5,000店舗以上。しかし長い歴史による入れ替わりの多さも考慮し、稼働店舗数は半数のおよそ1万7,500店舗と推測した。
FC2ショッピングカート 店舗数:1万4,000店舗 (2019年3月時点・推測)
FC2ショッピングカートは、アフィリエイトやホスティングサービスなど幅広いインターネットサービスを提供しているFC2の運営する無料のネットショップ開業サービスだ。公式サイトによると導入店舗数は2019年3月時点で14万店舗となっている。しかしこの記載は累計と思われ、無料サービスのため開店休業状態の店舗も多いことが想定されるため、実際の稼働店舗数はその1割の1万4,000店舗と推測した。
おちゃのこネット 店舗数:1万店舗 (2019年3月時点)
おちゃのこネットは、月額540円から始められるネットショップ作成サービスだ。eccLabの調査によると、2019年3月時点の導入店舗数は累計約9万店舗、そのうち稼働店舗数は約1万店舗となっている。
その他のショッピングカート店舗数
ショップサーブの導入店舗数は、公式サイトによると2017年度時点で累計1万1,590店舗。そのうちの稼働店舗数は9割の9,452店舗と推測した。
e-shopカートSの導入店舗数は、公式サイトによると2019年3月時点で累計1万店舗。そのうちの稼働店舗数は6割の6,000店舗と推測した。
futureshopの導入店舗数は、公式サイトによると2018年12月時点で2,400店舗である。
エクスカートの導入店舗数は、公式サイトによると2019年3月時点で累計2,400社。そのうち稼働店舗数は7割の1,680店舗と推測した。
たまごリピートの稼働店舗数は、eccLabの調査によると2018年9月時点で1,000店舗である。
aishipRの導入店舗数は、eccLabの調査によると2019年3月時点で750店舗である。
Bカートの導入店舗数は、公式サイトによると2019年5月時点で累計500店舗。そのうち稼働店舗数は8割の400店舗と推測した。
リピストの導入店舗数は、eccLabの調査によると2018年9月時点で500店舗である。
侍カートの度導入店舗数は、eccLabの調査によると2018年9月時点で400店舗である。
eTENPO MANAGERの導入店舗数は、eccLabの調査によると2019年3月時点で累計500店舗。そのうち稼働店舗数は8割の400店舗と推測した。
CARTSTARの導入店舗数は、eccLabの調査によると2019年3月時点で約400店舗である。
カラーミーリピートの導入店舗数は、eccLabの調査によると2018年9月時点で300店舗である。
リピートPLUSの導入店舗数は、eccLabの調査によると2018年9月時点で250店舗である。
EC Forceの導入店舗数は、eccLabの調査によると2018年9月時点で200店舗。
クラフトカートの導入店舗数は、eccLabの調査によると2019年3月時点で累計210店舗以上。そのうち、稼働店舗数は8割の168店舗と推測した。
ショッピングカート形式を取るその他のサービスには、海外から上陸して店舗数を伸ばしているShopifyや、CAFE24や楽楽CART、ワイズカートASPなど多数存在する。それらの店舗数は合計で8,000店舗以上にのぼるものと推測する。
この結果、ショッピングカートの導入店舗数合計は13万5,800店舗となった。カラーミーショップは29.5%、MakeShopは16.2%、CS-CARTが12.9%を占め、この上位3サービスでショッピングカート導入店舗数全体の58.5%を占めていることになる。モールと比較するとショッピングカートの導入店舗数はおよそ1/9に留まっている。
<参考>
EC業界カオスマップ「ECサイト構築サービス編」
インスタントEC
インスタントECは、ショッピングカートと基本的なシステム構成は同じだが、それよりもさらに簡単に開店することができるサービスを指す。数クリック、数分での開店が可能となっている手軽さが売りだ。
STORES.jp 店舗数:70万店舗 (2016年10月時点)
STORES.jpは、「最短2分で、驚くほど簡単にオンラインストアがつくれる!」ことをキャッチコピーとした、オンラインストア作成サービスである。STORES.jp BUTTONという、どこにでも置ける、3ステップで作成可能な購入ボタンなど、簡単にオンラインストアが作成できる機能が特徴だ。2019年時点の店舗数は公開されていないが、2016年のインタビュー記事やBASEとの比較ネット記事によると、STORES.jpのストア開設数は2016年10月時点で70万店舗以上となっている。
BASE 店舗数:70万店舗 (2019年2月時点)
BASEは、個人・法人・行政と幅広い層が利用できるネットショップ作成サービスだ。独自の決済サービスの提供も行っている。BASEのプレスリリースによると、BASEの店舗開設数は2019年2月時点で70万店舗となっている。
この結果、インスタントECの店舗数合計は140万店舗となった。モールの1.2倍以上、カートの10倍以上の店舗数を誇り、近年のEC店舗数の拡大に大きく貢献していることがわかる。しかし一方で無料のため、開店休業状態で放置されている店舗も相当数あるものと思われる。
ECパッケージ
ECパッケージは、ECに必要な機能モジュールを、EC事業者の要望に合わせて組み合わせていくシステムパッケージだ。ショッピングカートASPサービスよりもハイエンドのEC事業者向けのものとなるため店舗数はショッピングカートよりも少なくなる。このECパッケージの実稼働店舗数を多い順に見ていこう。
EC-CUBE 店舗数:2万4,000店舗(2019年5月時点・推測)
EC-CUBEは、オープンソースのECサイト構築パッケージである。EC-CUBEの公式サイトによると、EC-CUBEの導入店舗数は3万店舗となっている。実際の稼働店舗数はその8割の2万4,000店舗と推測した。
ecbeing 店舗数:880店舗 (2018年8月時点・推測)
ecbeingは、実店舗を20年運営したことによる売上アップのためのノウハウを持つソフトクリエイトグループが提供する中堅・大手向けのECサイト構築パッケージである。ecbeingの公式サイトによると、ecbeingの導入店舗数は2018年8月時点で1,100店舗となっている。しかしこの記載は累計値のため、実際の稼働店舗数はその8割の880店舗と推測した。
カゴラボ 店舗数:640店舗 (2019年5月時点・推測)
カゴラボは、「カスタムできる、次世代ECプラットフォーム」というキャッチコピーの、EC-CUBE公式認定のEC構築パッケージである。公式サイトによると、導入店舗数は2019年5月時点で800店舗となっている。しかしこの記載は累計値のため、実際の稼働店舗数はその8割の640店舗と推測した。
SI Webショッピング 店舗数:550店舗 (2019年5月時点・推測)
SI Web ショッピングは、日本初のECサイト構築パッケージとして誕生した、大規模ECサイトにも対応できることが特徴のECサイト構築パッケージだ。SI Webショッピングの公式サイトによると、SI Webショッピングの導入実績は1,100社となっている。しかしこの記載は累計値のため、実際には同社の長い歴史を考慮すると、2019年5月時点の稼働店舗数は5割の550店舗と推測した。
その他のECパッケージ店舗数
ebisumartの導入店舗数は、公式サイトによると2019年5月時点で累計500店舗。そのうち稼働店舗数は8割の400店舗と推測した。
コマース21の導入店舗数は、公式サイトによると2019年5月時点で累計300社。そのうち稼働店舗数は5割の150店舗と推測した。
HIT MALLの導入店舗数は、公式サイトによると2019年5月時点で100店舗。そのうち稼働店舗数は5割の50店舗と推測した。
出店する蔵は、過去のインタビュー記事によると、2016年7月時点で導入店舗数は50店舗となっている。
RealPitの導入店舗数は、公式サイトによると2019年5月時点で100店舗。そのうち稼働店舗数は1割の10店舗と推測した。
ECパッケージのその他のサービスにはCOMPANY ECやecOrigins、eltexなど多数存在する。それらの店舗数は合計で2,500店舗以上にのぼるものと推測する。
この結果、ECパッケージの店舗数合計は2万9,280店舗となった。EC-CUBEが82.0%のシェアを占めている。
<参考>
EC業界カオスマップ「ECサイト構築サービス編」
スクラッチ
店舗数:5,000店舗(推測)
その他、カートやパッケージを使用しないで0からECサイトを構築したスクラッチ開発による店舗も、大手企業を中心に多数存在している。その数は5,000店舗程度と推測する。
国内のECサイト・ネットショップ実稼動店舗数
この結果、2019年5月時点の国内のECサイト・ネットショップ店舗数を全てまとめてみると、総稼動店舗数は270万9,043店舗となった。
総店舗数の中では、インスタントECが51.7%、モールが42.0%を占めており、この2ジャンルで93%以上を独占。今の国内のECサイト・ネットショップの大部分はこれら2つのジャンルに出店・開店していることがわかる。
この270万という店舗数は2017年の調査段階(189万)と比較し43%増加している。この増加の対部分は、インスタントECとモール、特にYahoo!ショッピングの店舗数の増加が占めている。
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