活発な成長を見せるロシアのeコマース業界。2017年は売上高137億ユーロであったのに対し、2018年は170億ユーロに達すると予測されている。そして2023年までには約460億ユーロ、つまり今後5年間で170%の成長が見込まれているという。
この予測は、ロシアのeコマースに関する世界的金融グループモルガン・スタンレー社の報告書によるもの。この中でアナリストは、ロシアは支配的なオンライン小売業者のいない最後の主要新興市場であることを主張している。しかし現在、ロシア市場はターニングポイントにあり、2020年までに「85億ユーロ以上の価値を持つ」指導者が出現すると予測されている。
eコマースのシェアは未だ3%
ロシアでは、未だeコマースが小売業界全体に与える影響はさほど大きくない。オンライン売上は依然として、3%のシェアにとどまっている。一方で、インターネットの普及率は80%と非常に高く、スマートフォンの利用率も66%。アナリストらによると、ここ数年でロシアはインターネット利用状況が成熟してきており、オンライン取引はますます増えていくとのことだ。
小売業者がロシアにおけるeコマースの成長をけん引
ロシアでeコマースの成長を促進するのは、オンライン買い物客の数と彼らのショッピングに対する意欲の増加だけでなく、小売業者側にも良い要因がある。例えば、いくつかの先進的なeコマース業者は、過去数年にわたり、民間企業と公共企業の双方から多大な資金を調達しており、この傾向は今後も継続する見込みなのだ。
Morgan Stanleyの調査では、「資金を調達し規模を拡大することで、注文から配達までのフルフィルメント費用のような(経済面での)重要な懸念点を減らせたり、また、配達までの時間を短縮し全体的な顧客体験を改善できたりするだろう」。
ロシアのeコマースが成功するために
米国の銀行は、ロシアのeコマースが、中国の成功例をたどりながら発展していくだろうと捉えている。ロシアのeコマース市場が成長するためには、市場モデルを開発し、物流に投資し、小売業者に資金を提供する必要があると考えているようだ。
※当記事は英国メディア「E-Commerce News Europe」の10/16公開の記事を翻訳・補足したものです。