全世界におけるeコマース売上において、電子機器の売上が占める割合は全体の約3分の1である。それに対しヨーロッパでのそれははるかに低く、欧州18カ国の平均シェアは現在約25%に留まるという。

このように欧州におけるeコマースの割合は、依然として世界平均を下回っている。しかし2015年の21%というシェアに比べると、過去数年間で着実に増加傾向にあるようだ。このデータは、マーケティングリサーチ会社GfKの技術消費財のオンライン販売に関する調査結果によるものである。

 

オンラインでIT製品を購入することに抵抗がないヨーロッパの消費者

GfKの調査によると、欧州に進出する中国のeコマース大手は、競合他社が完全に独占していないため入り込む余地があると言う。彼らは、まだオンラインの効果的な取り扱いがなされていない製品カテゴリに注力するだろうとのこと。たとえば、欧州の消費者はオンラインでIT製品を購入することに抵抗がなく、オンライン販売シェアが全体の38%を占めている。しかし、通信機器(21%)や家電製品(22%)、小型家電製品(28%)といったカテゴリでは、オンラインでの購入に対し消極的である。その中でも、こうしたカテゴリの商品は、2018年上半期において高いレベルのオンライン成長を示しているという。GfK「これらは、オンライン販売活のレベルアップが期待できるカテゴリだ」との見解を示している。

 

European Retail Alliance」による小売業界へのサポートに期待

GfKは、大手家電小売業者であるMediaMarktSaturnFnac Dartyが設立したEuropean Retail Alliance(欧州小売事業者組合)のように、欧州の電子機器小売業者が協力することにより、新たな課題に取り組むことができるようになるとの考え。European Retail Allianceは、電子機器小売事業者が同組合の(新技術や共同イノベーション活動、大規模なデータ分析への共同投資を通じて、顧客に最高のオン・オフライン・ショッピング体験を提供するといった)“オムニチャネル販売についての独自の施策”を活用できるものとみている。

 

※当記事は英国メディア「E-Commerce News Europe」の9/4公開の記事を翻訳・補足したものです。