JD.com(京東商城)を運営する大手EC&小売インフラカンパニー京東集団は、2018年8月9日、米ウォルマートと共に「達達-京東到家」に5億ドルの資金を共同出資。今回の共同出資により、京東集団と米ウォルマートのパートナーシップが更に強化された。

 

5,000万人以上のユーザーを持つ達達-京東到家

達達-京東到家は、京東集団傘下の「O2O配送業務」を行う子会社「京東到家」と中国のクラウドソーシング物流プラットフォームである「達達」の合併により2016年4月に設立された物流配送会社だ。現在、京東集団が唱える「ボーダレスリテール」の理念を実現させるための重要な役割を果たしており、クラウドソーシング物流プラットフォームでは達達を、O2Oプラットフォームでは京東到家のブランドを使用している。

達達では誰でも「配送員」として登録でき、登録者の空いている時間に自分のエリアで配送することができる。中国400以上の都市をカバーしており、ほとんどの注文を60分以内に配達することが可能だ。達達は120万社以上の企業と5,000万人を越えるユーザーをかかえており、一日の最大注文数は1,000万件を越える。

また、京東到家では実店舗との連携により生鮮食品・日用百貸などの商品を2時間以内に同じエリア内の消費者に届けることが可能だ。北京・上海・広州など40の主要都市をカバーし、登録ユーザーは5,000万人を超え、月間アクティブユーザーは2,000万以上だ。

 

強化を加速させるウォルマートと京東集団

京東集団の「ボーダーレスリテール(オンラインとオフライン(実店舗)、物流機能まで融合させたビジネスの総称)」の理念に賛同したウォルマートは2016年6月に「達達-京東到家」と戦略的パートナーシップを締結して以降、連携強化を進めている。同年10月には5,000万ドルを出資して連携を強化し、ウォルマートの京東到家でのオンライン販売額は30倍に成長している。さらに2018年7月、京東集団とウォルマートはパートナーシップの強化を共同発表、双方のユーザー・在庫情報・店舗情報を共通化し、オンラインとオフラインの融合を加速させることを目指している。

中国にある約200社のウォルマートの実店舗は「達達-京東到家」の配送サービスを利用しており、中國30都市で1時間以内の商品配達が可能だ。また、2018年8月にはオンラインとオフラインを連動させた2018年大型ショッピングフェスティバル「88セール」を共同で開催。「618セール」や「独身の日(11月11日)ショッピングフェス」に次ぐ大型ショッピングイベントとなるよう注力していく予定だという。

 

京東集団は今後も、ウォルマートだけでなく世界各国の小売りパートナーとの連携に積極的な姿勢を見せており、今回の共同出資により、弾まないイノベーションと痒いところに手が届く運営を進めるという。