株式会社マクロミルは、「サブスクリプション(定額)型サービスに関する調査」を実施。実際の利用実態や意識に関して首都圏在住の20~69歳男女1,000名に調査を実施した。

調査の結果、サブスクリプション型サービスで動画配信、音楽配信、電子書籍(上位3サービス)以外のサービスに関しての認知度は1割以下であり、上位3サービスを利用する人は、お金を気にせず何度でも利用できることにメリットを感じる人が多いことが明らかとなった。

 

サブスクリプション型サービス、商品発送型の認知度は低い

定額料金で使い放題になることを知っていたサービスに関して質問したところ、最も多いのは動画配信(57.9%)であり、音楽配信(52.2%)、電子書籍(35.4%)が続いた。一方、食品や洋服・コスメ・アクセサリーといった商品に関しては1割にも満たない。

 

また、定額料金で使い放題になることを知らなかったサービスのうち、興味があるものを尋ねたところ「特にない」という回答が46.7%と最も多く、今後具体的に利用を検討したいものを質問した際は同回答が58.6%と、サブスクリプション型サービス自体に興味をあまりもっていないことが伺われた。なお、興味があるものとしては、食品・飲料・酒や飲食店が比較的多いことが分かる。

 

実際に、利用したしているサブスクリプション型サービスで多いのは、認知度も高かった動画配信(28.3%)、音楽配信(17.8%)、電子書籍(7.1%)が上位3サービスであった。さらに、定額料金で使い放題サービスに使う1ヵ月あたりの金額は、1,000円以上~3,000円未満(46.5%)が最も多く、1,000円未満(35.8%)、3,000~5,000円未満(9.6%)が続いた。

 

お金を気にせず何度でも利用できることが魅力

定額サービスの上位3位、それぞれの利用理由に関して質問したところ、「お金を気にせず何度でも利用できるから」「継続的に支払うのにお手軽な金額だったから」という理由が各サービスにおいて、上位に挙がった。なお、電子書籍サービスに関しては、「通常利用よりも安く済むから」「試してみたかったから」という回答が目立った。

この結果から、サービス利用の際に総合的にかかる料金を安くすることを重視していることが伺われ、”お得感”が定額サービスの良さとして認識されている傾向にあることが分かる。

では、逆に定額サービスを停止した理由で多いモノは何だろう。上位3サービスに関して各種同様に、定額料金での利用を止めた理由に関して質問した。この結果、全てのサービスにおいて「利用する機会が減ってしまったから」「実際に利用する機会を感じられなかったから」「思ったよりお得感を感じられなかったから」という理由が上位3つに挙がった。

さらに、サブスクリプション型サービスを利用しない理由に関しても尋ねたところ、興味の高い食品・飲料・酒に関しては「コンビニで間に合っている」という意見が、飲食店に関しては「そんなに頻繁には同じものを食べたくないから」「健康面で心配」という意見が挙がっている。その他、各カテゴリーで利用頻度が様々であったりすることから、定額料金であるメリットを見出せないといった旨の意見が目立った。

 

今回の調査より、動画配信、音楽配信、電子書籍といった分野のサブスクリプション型サービスの認知度は高いものの、その他のカテゴリの認知度は1割以下に留まっている。また、知られていないカテゴリで興味を持つ人が比較的多い食品・飲食店に関しても、利用意欲がある人は約1割に留まっており、価格と利用頻度を掛け合わせて「お得感」を感じられるかが利用の鍵となることがわかる。様々な業界で採用する動きが出ているサブスクリプション型サービスだが、生活に必ずしも必要でないサービスの場合、価格的な「お得感」が重要だろう。