ロンドン創業の乗換案内アプリを運営するCitymapper社は、バスとタクシーを融合させた新サービス「Smart Ride」の運行をスタートした。Smart Rideは、8人乗りの車両で、ロンドン内の決められた路線を運行するが、乗客の要望により路線は変更される。

 

「Smart Ride」サービスは、ロンドン市交通局(TfL)からの一般ハイヤー車両の認可を受け、運行される。この一般ハイヤー車両の免許は定員8人以下の車両のみの運行を許可。(バスのように)時刻表に沿って決められた停留所で停止する必要はなく、乗客の要求に応じて、自由に路線を調整する。

Cittymapper社の社長兼事業責任者であるOmid Ashtari氏は、イギリスの新聞社Guardianに対し、次のように語った。「我々は今までとは違う新しい事業を立ち上げることを決断し、Smart Rideをスタートさせた。これはライドシェアリングサービスの一つであり、ロンドン初の試みである。Smart Rideは、停留所があるという点ではバスのようであり、予約して座席を確保するという点ではタクシーのようなものだ。また、道路上のネットワークを持つという点では、地下鉄のようでもある」。

Citymapper社は2017年7月から既に、ロンドンで夜間の商業路線バス「CM2- Night Rider」の運行を開始している。しかし、ロンドン市交通局のバス運行に関する規制が厳しく、「当初の想定のように、CM2- Night Riderがバスサービスに大変革をもたらすというまでには至らなかった」と発表している。

 

Citymapper社は、自社の固定ルートタクシーサービスである「BB1」と共にCM2路線バス運行を継続するにも拘らず、今回スタートさせた「Smart Ride」サービスに”バス車両”は使用しない。その理由を同社は自社ブログで次のように説明している。「ロンドンでは9人以上の乗客を乗せる場合はバス向け規制の対象となり、路線、運行スケジュール、運行頻度に関する厳しい規制が課される。しかし、8人以下の乗客の場合は一般ハイヤー車両の規制対象となり、運行頻度や路線も自由に設定でき、どこへでも運行することができる。このことから、一般ハイヤー車両は需要に(柔軟に)応えることができるが、バスではそれが不可能なのである。CM2路線バスのスマートな緑色のミニバスであっても、未来の”デマンド対応型”サービスを提供することは難しい」。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の2/22公開の記事を翻訳・補足したものです。