企業による複数アカウントへのメッセージ送信を可能にするMessengerのBroadcast APIのセルフサービスバージョン「Messenger Broadcast」

TechCrunch最初の報道を受けMessengerの広報担当者は11月28日、企業がMessenger上で過去にメッセージのやり取りをしたユーザーアカウントに向けて、メッセージを一斉送信できる企業向けツールを内部的に試験していることを認めた。

Next WebのMatt Navarra氏によって、Twitterに公開されたスクリーンショットによると、Facebookの新ツール「Messenger Broadcast」は、数週間前に公開されたMessengerのBroadcast APIのセルフサービスインターフェイスのようだ。

2016年、Messenger はニュースパブリッシャー等の特定の企業向けに、複数のユーザーへメッセージの一斉送信ができるサブスクリプション機能を導入した。そして今月の初めには、メッセージの一斉送信を自動化する企業向けBroadcast APIを公開したが、これは企業と過去にMessenger上でやりとりがあるユーザーへの送信に限定している。しかし、すべての企業がMessengerアカウントをBroadcast APIに紐付けるための社内開発機能や外部企業に委託する資金を持っているわけではない。その解決策としてMessenger Broadcastが登場した。Broadcast APIとMessenger Broadcastの関係性は、Facebook Ads API(広告API)とAds Manager(広告マネージャ/広告管理ツール)の関係性と同様である。

広告については、企業がMessenger Broadcastを通じて広告メッセージを送信できるかどうかは不明だ。Navarra氏が投稿したスクリーンショットによると、新ツール経由のメッセージは無料で送信することが可能。Broadcast APIを介して送信されるメッセージも無料であるが、開発者向け資料によればBroadcast API経由のメッセージは「プロモーション目的以外」でなければならない。

 

Facebookが正式にMessenger Broadcastを展開した場合、企業によるSponsored Messagesの送信も可能になるかもしれないが、その必要性については不明確である。

理由のひとつに、Sponsored MessagesとはMessenger Broadcastを通じて無料で送れるようなサービスの有料版であることが挙げられる。いずれのメッセージタイプも以前に企業とメッセージのやりとりをしたユーザー宛てに限定されるが、有料版であるSponsored Messagesでは、メッセージを送信するユーザーをより絞り込むことが可能だ。別の理由として、企業は既にAds Managerを通じて、有料で広告メーセージを送信することが可能であるということも挙げられる。それでもFacebookは、企業がメッセージを配信できるユーザーを正しくターゲット設定するために必要な「Boost This Blast(このメッセージの効果を高める)」ボタンをMessenger Broadcastに追加するであろう。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の11/28公開の記事を翻訳・補足したものです。