これまでFacebookは、消費者が企業にMessengerから問い合わせる際は一つのIDとし、その人が企業のHPやアプリにFacebookのアカウントからログインする際にはまた別のIDとして情報を送っていた。

もしあなたが、ある企業にFacebook Messengerで問い合わせをし、Facebookのアカウントからその企業のモバイルアプリにログインしたとしても、今まではその企業はあなたが同一人物ということが分からなかったのだ。

2017年4月18日(火)にFacebookは、消費者が企業のMessengerアカウントにアクセスする時に作られるIDと、企業のHPまたはアプリにFacebookアカウントでログインする時に作られるIDを、照合させることを可能にした。どのように企業がこのマッチングをするかについての詳細は、こちらのFacebook開発者向けサイトで見ることができる。

このマッチングの結果、企業はモバイルアプリからの購入履歴などの消費者情報を用いて、その消費者にMessengerで新商品の告知などをすることができる。

そして、もし企業がアプリやサイト、Facebookアカウント等を多数運営する場合、消費者がFacebookアカウントでそれぞれのアプリやサイトにログインしたり、Messengerで別のページにコンタクトしたりした際も、それら全てでその消費者をマッチングすることができる。

IDの統一によって、Messengerやアプリ、企業サイトでのユーザーとのやりとりを考慮に入れ、広告のターゲットに設定することができるのだ。

前述の例のように、誰かが企業にMessengerで問い合わせし、企業のアプリにもログインした例について考えてみて欲しい。今後企業は、消費者がアプリで商品を購入したことだけでは無く、Messengerでその商品について質問した、ということも把握できるようになる。それだけでは無く、その消費者に類似する顧客を見つけることもできる。その顧客のFacebookに関連するIDをリスト化し、Facebookのカスタム・オーディエンスの広告ターゲッティングオプションを使っての割引キャンペーンや、Win-you-back(顧客を取り戻すキャンペーン)の広告対象にすることもできるようになるのだ。

 

 

※この記事は「Marketing Land」の4/19公開の記事を翻訳・補足したものです。