Facebookの標準ニュースフィード上でバーチャルリアリティー(VR・仮想現実)の世界を体験することができるようになった。

米メディアMarketing Landが「FacebookがNews Feeds内でウェブベースのVRをテストしている」と報じた約1か月後の2017年11月17日、Facebookは提供するVRアプリを活用したブランドの事例を発表。同社はこうしたVR対応の投稿を「360度体験」と呼んでいる。

これらの体験はFacebookのウェブ開発フレームワークであるReact VRを使って構築されており、ウェブブラウザ上でVR体験を提供するWebVR対応のパソコンまたはモバイルブラウザで使用することができる。しかし、Facebook上でのWebVRの利用は、ブランドや開発者に限られている。

2017年11月17日(金)にFacebook所有のVR会社Oculusのブログ上で掲載された記事によると「FacebookのNews Feeds内でReact VRを実装し、VR体験を提供するための準備を始めたとのこと。まだ実験段階ではあるが、より多くの人々が質の高いVRコンテンツをどこにいても体験できるようになる可能性に感銘を受けている」とのこと。

 

Facebook上に「360度体験」の初期例としてソニーの映画「Jumanji」や英国博物館「ナショナルギャラリー」を投稿

OculusとFacebookの社内広告会社であるCreative Shopは、映画およびテレビ番組制作Sony(Pictures)とデジタル代理店のAvatarLabsと協力して、Sonyの新作映画「Jumanji/Welcome to the Jungle」のVR体験ができるWeb広告を作成している。このVR体験では、仮想ツリーハウス内で宝探しゲームができる。モバイルでFacebook上の360度動画を見るのと同様に、画面をタップするか、携帯電話を動かして回りを見渡すことができる。パソコンでは、(マウスを)ドラッグして画面を動かす必要がある。しかし360度動画とは異なり、体験の中の物体をタップまたはクリックすることができる。

「Jumanji」ゲームはFacebookのNews Feeds内でウェブベースVRの最初の例の一つであるが、たった一つというわけではない。今週に入ってから、英国博物館ナショナルギャラリーが新館のバーチャルツアー体験に関する投稿をした。新館に展示されている実際の芸術作品のVRバージョンを楽しめるだけでなく、個々の絵画をタップやクリックをして詳細を知ることができる。

既存のサイトやアプリにVRを取り入れることで、Facebookは人々を仮想世界に慣れさせ、最終的には2018年に199ドルで発売予定のOculus Goのようなヘッドセットを通じて、完全な仮想世界に導くことができるだろう。また、Facebook内でVRを体験できるようにすることで、より多くのブランドや他の会社がVR体験を開発するよう促すことも可能であろう。今日まで、VRは多くのマーケティング担当者にとって十分な規模を達成しておらず、VRアプリケーションを大衆にもたらす方法を模索している最中だ。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の11/17公開の記事を翻訳・補足したものです。