米Amazonが、ヘルスケアテクノロジーを専門に扱う部署を密かに設置したと伝えられている。新たに設置されたこの部署の名称は「1492」。電子カルテのプラットフォーム構築、遠隔医療、Amazon Echoなどと連動したヘルスケアアプリなどの開発を進めているという。
Amazonがヘルスケアテクノロジー部署を新設か
米国メディアCNBCは、Amazonが電子カルテや遠隔治療などのヘルスケアテクノロジーを専門に扱う部署を新たに設置したと報じている。シアトルの本社にあるその部署は「1492」と呼ばれ、ハードウェアとソフトウェアの両面から、ヘルスケア関連のプロジェクトを進めているという。
報道によれば、同部署は、過去の電子カルテシステムのデータを医師と患者双方が閲覧可能になるシステムの開発を検討している。また、Amazonは遠隔医療プラットフォームを構築し、オンライン上で医師の診療を受けられる構想も進めているという。
Amazon Echoと連動したヘルスケアアプリの開発の可能性も
さらに、「1492」は人工知能を搭載したスピーカー型端末Amazon EchoやDash Wandと連動できる、新たなヘルスケアアプリの開発も検討している可能性がある。Amazonが特定のヘルスケア関連機器を開発しているという情報はまだ得られていないが、あくまで可能性としてCNBCが指摘した形だ。
Amazonはヘルスケア業界への参入を強めている
Amazonがヘルスケア関連のプロジェクトに乗り出したのは今回が初めてではない。2017年5月には、医薬品の販売を専門に扱う部署の新設が報じられている。
また、Amazonのクラウド事業であるAmazon Web Servicesは多くの医療専門家を雇い、大手病院や製薬企業との契約増加を目指しているという。また、Amazonは将来のクラウドビジネス発展のための特別なパートナーとして、ヘルスケアのスタートアップであるGrailに投資していることも明らかとなっており、ヘルスケア業界への関与を強めている。
新たにヘルスケアテクノロジーを専門の部署を新設していると報じられたAmazon。すでに医薬品販売に特化した部署も設置しているとみられ、ヘルスケア業界への参入を強めている。Amazonが持つテクノロジーの連携によって、どのようなヘルスケアサービスを構築するのか、注目したい。
※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の7/27公開の記事ならびに米国メディア「CNBC」の7/27公開の記事を翻訳・補足したものです。