EC業界で名声を築いてきた米国ネット通販最大手Amazonの実店舗開業が続いている。「実店舗の価値」を認識する表れともいえる。
Amazonが単に本だけを売っていた、というのはかなり前のことである。映画やテレビ番組の配信にとどまらず、自社でテレビ番組を制作してゴールデングローブ賞を受賞したり、商品配送にドローンを開発したりという、多岐にわたる事業を精力的に展開してきたAmazon。しかしこの巨大なEC企業はここ数年、ルーツである本屋業に再び力を入れ始めている。
<参考>
加速するEC専業企業の実店舗展開が意味する「実店舗とECサイトの役割」
米国最大級の書店チェーンBarnes and NobleやBorders、また各書店で働く人々にとっては皮肉なこととなったが、Amazonは2015年に実店舗の書店Amazon Booksをシアトルにオープンさせた。
2017年ニューヨーク店から始まる店舗展開は、続いてオレゴン州ポートランドとカリフォルニア州サンディエゴ、マサチューセッツ州のデダム、更にシカゴにも拡大していく予定。
Amazon Booksで取り扱う書籍は、すべてウェブ上でカスタマーレビューの星4~5個を獲得したものに限定。自社製品のショールームの役目も果たすこの店舗では、顧客が購入前にAmazonグッズを手にとって試すことも可能だ。
ニューヨークにオープンする新店舗は、マンハッタンのセントラルパークに程近い高層ツインビルthe Time Warner Center内のショッピングモールthe Shops at Columbus Circleに位置。そこにはかつて人気でありながら2011年に経営破綻したBordersが入っていた。
本拠地を同じくワシントンに置く同業社Microsoftの実店舗にも隣接するこの場所は、Amazonにとってホームのような感覚かもしれない。
※当記事は米国メディア「Entrepreneur」の1/5の記事を翻訳・補足したものです。