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マーケティング
2017/06/29

海外ブランドの通販サイト「AXES」のウェブ接客ツール選定の軸は使いやすさと成果の分かりやすさ

AXESのウェブ接客ツール選定の軸は使いやすさと成果の分かりやすさ

 

COACH、GUCCIを始めとする海外有名ブランド品を取り扱っているAXES。常時200以上のブランドを、海外から直接買い付けることにより、商品を低価格で提供している。

そのAXESに今年の2月からウェブ接客ツール「ecコンシェル」が導入された。今回は導入に至った経緯から導入後の成果、AXESのツール導入事例からECサイトにおけるウェブ接客ツール選定の視点や、上手なツールの活用方法について見ていく。

 

※今回のインタビューは、AXESのECサイトへウェブ接客ツール「ecコンシェル」を導入したNTTドコモ社の協力で実施した。ecコンシェルは2017年6月現在で、業界最多の2,500社以上が導入している。人工知能を活用し、CVR改善の精度とスピードに特化したウェブ接客機能で、一気に市場を席巻したウェブ接客ツールだ。

 

 

AXESのサイト運用経緯

 

AXESは海外有名ブランド品を取り扱っているオンラインショップ。ネット・カタログ通販の株式会社スクロールのグループ企業だ。グループの信用と実績により海外より直接商品の買い付けを行うことで大幅なコストダウンを実現した。ユーザーが手の届きやすい価格で商品を提供できることに強みを持っているECサイトである。

楽天市場Yahoo!ショッピングWowmaなど多数のモールに出店しているだけでなく、自社サイトの運営にも力を入れている。

有名ブランド品というとオンラインで購入する場合には特に偽造品・模造品という怖さが消費者にはあるものだ。そのため、商品の品質に絶対の自信を持っているAXESは「日本流通自主管理協会」と呼ばれる、並行輸入・中古市場において、不正商品の流通防止と排除の活動を行っている団体の会員企業としての活動も行っている。輸入・仕入れ段階から厳しいチェックシステムを確立することでユーザーが安心して購買できる仕組みづくりを積極的に行い、消費者に少しでも安心して商品を購入してもらえるよう努力を続けている。

▲株式会社AXES EC営業部 販売課 課長 神田 美和 氏

 

▲AXES神田氏とEC営業部 販売課 林 佳陽 氏

 

 

以前はウェブ接客ツールを使いこなせずに、利用を断念

 

AXESは2015年から約1年間にわたり、他のウェブ接客ツールを使用していた。以前のウェブ接客ツールでは、訪れたユーザーに「クーポンを配布する」など自己流の運用が中心となっていた。結果、ただの“クーポン配布ツール”となっており、ウェブ接客ツールを使いこなすことができていなかった。

 

――原因はツールの「UI」と「レポート」にあり――

インタビューをしているうちに、過去に導入していたウェブ接客ツールの問題点が見えてきた。確かにそのウェブ接客ツールはクーポン配布以外の機能もあったのだが、なぜ使いこなせなかったのだろうか?問題は「UI」「レポート」にあったようだ。

直感的なUIでなかったため、導入当初は使い方を理解するための時間が取れず、考えていた施策を実行に移すことができなかったそうだ。また、「導入した結果、売上が上がったのか?」というシンプルだが非常に重要なレポートが分かりにくかったとのこと。結果、「成果が出ている」と実感が持てずにウェブ接客を断念した。しかし、この経験は同社にとってツール選定の視点が身に着いた良い経験だったとのことだ。

 

 

AXESのウェブ接客ツール選定の基準は「UI」と「レポート」

 

以前の失敗の経験から、AXESには明確なウェブ接客ツール選定の軸があった。それが「UI」と「レポート」である。

 

UIに求めること

誰でも“マニュアルを読まずとも”ツールを利用できる直感的なUIであること。

 

レポート

ツールを導入したことで、「どのくらい購入数が増えたか」「どのくらい売上が増えたか」等の成果がすぐに分かるレポートがあること。

ツール選定の軸があったため、新しいツールの選定にはそれほど時間がかからなかった。AXESが導入したのはNTTドコモ社が提供している「ecコンシェル」だ。ディープラーニングの最先端技術を持つ「PKSHA Technology」と共同開発したAIとCVR改善の精度が売りのウェブ接客ツールだが、AXESが注目したのはそこではなく、UIとレポートである。導入については、自社サイトで使用しているFutureShop2タグ付け機能を利用して簡単にサイトへの実装が完了し、ツールを移行する負担を最小限に抑えることができた。

ecコンシェル導入後に感じた成果が2つある。1つ目は施策の結果が可視化されたことにより運用の負担が軽減されたことである。施策の良し悪しを管理画面から判断できるようになったため、「改善策を打つべきか」「そのまま走るべきか」意思決定を行いやすくなった。

▲ecコンシェル管理画面

2つ目は数多くのユーザーの購入履歴や閲覧履歴などの細かい条件を組み合わせてウェブ接客できる点だ。例えば、「以前にクロエの財布を購入したことがあり、現在GUCCIのバッグのページを見ているユーザー」に“クロエのカバンのクーポンやセールの案内を行う”など。効果がないと判断された施策についてはAIが自動で停止し、効果が高いものだけが残り続ける。そのため、多くの施策を同時に走らせておき、逐一確認をしなくても効果を上げることが可能になった。現在はLINE@の会員数を増やすなど、クーポンやセール案内以外でも積極的にウェブ接客を活用している。

 

 

AXESの今後の動向

 

今後、ウェブ接客のPDCA高速で回すための次の打ち手がある。それが自動バナー作成機能「オートクリエイティブ」だ。オートクリエイティブ機能とは、バナーを掲載したいWebサイトのURLを入力するだけで、AIが自動的にWebサイトの配色を判別し、バナーのパターンを複数弾き出す機能だ。この機能を使うことにより、ウェブ接客で鍵となるクリエイティブの最適化を高速に行える。

▲オートクリエイティブのイメージ

今回のウェブ接客ツールの導入が良い例だが、AXESは自社サイトでの販促施策に非常に注力している。しかし、売上のボリュームはまだモールの方が自社サイトよりも高い。では、なぜ自社サイトにそれほど注力するのか?

それは単に利益率が高いということではなく、自社サイトは自分たちのファンが集まる場所だからだ。このユーザーを大事にすること、コミュニケーションを取り続け、自分たちのファンを作ることは、ECサイトの長期的な成長に必要なことではないだろうか。

今回はウェブ接客ツールの「ecコンシェル」の導入事例だったが、ウェブ接客に限らず、市場にはEC事業者をサポートしてくれる多くのツールがある。しかし、導入側がしっかりした“軸”を持たなければ、成功しない。ツールが多すぎて、軸がないと自分たちにベストなツールとなかなかマッチングしないのだ。AXESのように“ツール導入の軸”を持つことは全てのEC事業者にとって必要なことだろう。

▲AXES神田氏、林氏