eMarketerのレポートによると、アリババは既に百度(Baidu)を超え、中国のデジタル広告市場を牽引しているため、百度は現在、人工知能(AI)技術で失った地位を取り戻そうとしている。
2017年2月までに、百度傘下の共同購入サイトのデイリーアクセス数は1年間で59%も下落。デリバリーサービスは3位に下がり、コンテンツプラットフォーム爱奇艺は順調に進んでいないため、人工知能領域での動きは今後の百度の発展に向けて極めて大きい意味がある。
3月10日、百度の創業メンバー李彦宏氏はモバイルインターネットの時代がすでに終わり、これから人工知能の時代となっていると述べた。このため、百度は人工知能チームを1,300人に拡大、今年も百人以上増強する見込みとしている。
百度の自然言語処理部門のリーダーによると、コンピュータ翻訳の領域において、百度はおよそ1億単語対に対して、Alphabetの5億単語対もあり、大きな差が付いている。それを埋めるために、百度は各種の翻訳イベントのスポンサーとなり、情報収集を行い、Deep Speechという人工知能を活用した音声識別システムの導入を進めている。
様々なインターネット商品を所有している百度は中国消費者の情報を獲得できる。例えばデリバリーサービス百度糯米は家庭消費や飲食習慣を把握できる。旅行サイト携程網(Ctrip)を通して、旅行習慣が分かる。また、毎年6.65億人のスマートフォンユーザーが百度のアプリと検索エンジンを利用している。3.41億人のユーザーは百度地図も利用している。このような各ジャンルでの百度のサービス展開は今後、中国消費者向けの人工知能サービスを生み出すことに役に立つだろう。
現在、提供している新しい人工知能サービスはまだ大幅に百度の収益を上回らなかったが、既存のサービス領域(クラウドサービス、無人自動車など)の主導的な地位を獲得する足がかりになるだろう。
百度のCEO张亚勤氏は、今後3~5年の間に、人工知能によって全てのサービス領域が新しいく生まれ変わる可能性があると語っている。
※当記事は中国メディア「Techweb」の3/17公開の記事を翻訳・補足したものです