インドの経済メディアEconomic Timesは2016年12月12日(月)、Paytmが現在おサイフケータイサービスを同社内設立中の銀行事業に移管する作業を行っている事を発表した。Paytmの親会社で電子決済サービスを提供するOne97Communications社からの同意を得次第、実行されると言う。

Paytm(ペイティーエム)は取引額が毎日平均約5億円にも上るインドの電子決済サービス。最高取引額が一日12億円に達することもあり、インドの電子決済市場の54%のシェアを占める大手だ。

現段階では別会社の「EC事業部」と「銀行事業部」は、2017年8月には統合予定。それに伴い、現在「EC事業部」の傘下にあるおサイフケータイサービスは今後「銀行事業部」に移管される。確定ではないが、「EC事業部」は中国のアリババのインド参入をサポートしていく可能性があるとも記事は伝えている。

 

<参考>

【インド】アリババ、amazonはインドのBtoB市場に向けて投資を強化

 

この銀行はインドの中央銀行から支払銀行としての権限を与えられており、Paytm創業者であるVijar Shekmar Sharma氏が銀行の51%の株式を保有。残りはOne97Communication社が保有している。

中国のアリババは、AliPayにおいてPaytmと技術を共有するパートナーシップを結び投資しているが、新しい銀行事業とは直接関わりを持つことは無いとの事。

Paytmの担当者は、Reserve Bank of India(RBI)による承認を受けた後、おサイフケータイサービスを新しいPaytm Payments Bank Limited(PPBL)に移行すると言及。

11月8日深夜より施行された「500ルピーと1,000ルピーの現金の使用を廃止する」というインド政府のブラックマネー(不正な所得)対策により、現金を使わないオンライン決済が推奨。この直後から、Paytmを含むおサイフケータイは大幅な利益を上げている。その後24時間でPaytmの取引は1,000%上昇、現在もその数値は右肩上がりだ。

 

 

※当記事はインドメディア「DNA India」の12/5公開の記事を翻訳・補足したものです。