農作物の産地直送ECプラットフォーム - 流通改革だけでは越えられない山をどう乗り越えるか | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
  • google+
トレンド
2014/05/01

農作物の産地直送ECプラットフォーム - 流通改革だけでは越えられない山をどう乗り越えるか

農作物の産地直送ECプラットフォーム

 

従来は農協が独占的に運営・管理を行っていた農産物の卸売りが、ECによって少しずつ変革がもたらされている。個別の農家がECサイトを立ち上げるケースも増えてきているが、直接消費者に生産物を売りたい農家と、農家から直接買いたい消費者を繋ぐ産地直送ECのプラットフォームが次々と立ち上がってきているのだ。従来では農家が自社でECサイトを運営しない限り難しかった消費者へのリーチを提供することで農協だけではない新たな流通網を提供しようとしている農業ECの3つのサービスを見ていく。

 

 

マイファーマー

 

マイファーマー”は、モバイル事業を手がける株式会社サイバードが運営する産地直送ネット宅配サービスだ。

 

 

農業支援などを手がけるNPO法人“農家のこせがれネットワーク”と連携し、2010年7月にサービスを開始。“消費者がかかりつけの農家を持つ”というコンセプトのもと、ネット経由で農家から野菜を直接購入できる仕組みを作り上げた。現在は全国から厳選した約60の農家と提携しており、お気に入りの品を自由に注文できるほか、毎月決まった農家から旬のオススメ野菜を定期便として購入することも可能となっている。

また、ECサイトだけでなく、2011年7月より東京・代官山のTheatre CYBIRDで月に一度、“代官山マルシェ”と呼ばれる定期産直市を開催。2012年9月からは、同マルシェでの販売を地方自治体との連携で開催し、現在では来場者数が毎回1,500人を超えるイベントとなっている。

また2013年10月より、農家支援のためのクラウドファンディング、“生産者サポーター制度”を開始。生産者が種や苗木を購入するための資金をマイファーマーの会員から募り、地方自治体と連携して農作物の安定生産や供給を支援するために役立てている。支援金を拠出した消費者は、生産者から作物の生育状況の情報を受けたり、収穫イベントへの参加や収穫物・加工品を受け取ることで、オーナー感覚で生産を支援できるという仕組みだ。2015年中には10件の自治体との連携を目指すとしており、今後さらなる展開が望めそうだ。

 

 

ルナファーム

 

農家の長男である吉田浩明氏が代表を務める株式会社ルナファームが2012年8月に立ち上げた、農家と消費者のコミュニケーションECサイト“畑が見えるポータルサイト ルナファーム”。

 

 

産地直送の野菜を消費者に直接届けるという点ではマイファーマーと同じだが、生産者と消費者がSNS形式でやり取りができたり、農業用語の解説や農機具の紹介コーナーを設けるなど、農家をより身近に感じさせるコンテンツが多数用意されているのが同サイトの特徴だ。消費者はここで農業のリアルな現状を知って生産者を支援。ほかにも、消費者からの個別問い合わせや、生産者の作業日誌をチェックできる機能など、農家出身者ならではのアイデアが詰まった作りとなっている。

また、2013年5月には実店舗“ルナマルシェ”を東京・中目黒にオープン。同店では、サイト同様に生産者から直接買い付けを行った野菜や果物、加工品が販売されている。なお、今後は5年間で首都圏に30店舗展開を目指し、輸出事業や海外研修生斡旋事業なども展開していく考えだ。

 

 

農家.com

 

ソフト会社・人材育成を行う株式会社慶が手がけるのが、2009年7月にサービスを開始した農家専用のショッピングモール“農家.com”だ。

 

 

こちらも産直野菜の販売だけに留まらず、さまざまなコンテンツが充実している。例えば、サイト内に設けられた生産者の専用ページから各生産者の特徴や栽培情報を得たり、生産者側はブログを通じて情報を随時発信することも可能。運営サイドによる農作物関連のブログや新製品情報も定期的に更新されており、より深く生産者の状況を理解できる作りとなっている。さらに、提携農家周辺の観光情報や農産物を用いた調理方法など、野菜に絡めたコンテンツが多数用意されており、見ているだけで楽しめるサイトだ。

 

 

流通改革だけでは越えられない山をどう乗り越えるか

 

農作物の産地直送ECは、現状ではあくまで流通改革という側面の色合いが強い。価格に自由度を持たせ、場合によっては中間マージンを省くことが可能となり、生産者の顔が見え、その中から消費者は好みの農作物を選ぶことが出来るという意味では十分にそれだけでも価値がある。

しかし消費者視点で他のサービスと比較してみると、食品宅配ECやネットスーパーも生鮮品のECプラットフォームを提供しており、差別化は日に日に難しくなってきている。また、生産者視点でも価格や品質が大きくバラツキやすい農作物特有のリスクを農協は回避してくれるという心強い側面は切り捨てがたい。実際に産地直送ECプラットフォームに農作物を提供しているのは一部の農家に過ぎず、思ったよりも爆発的に拡大しているともいえない部分がある。

 

 

宅配ECやネットスーパーは利便性や手軽さを売りにしているし、鮮魚のAmazonと呼ばれる八面六臂も従来の流通網はそのまま活かした形でのサービス構築を行い拡大を続けている。一方で今や農作物以外のECサービスでは即日に届いたり、個人も出品出来たりと利便性や自由度の向上が凄まじい速度で進んでいる。特に米国では生鮮品についても巨人AmazonがAmazon Freshという即日配達サービスを地域限定ではあるが開始している。

都内に実店舗をオープンしたり、生産者と消費者を結ぶソーシャルを提供するなどの取り組みも面白いが、今後産地直送ECが爆発的に拡大していくには、流通改革だけではないメリットを、生産者・消費者両面で作っていく必要がありそうだ。

 

 

<参考>

ネットスーパーは店舗の商圏を拡大できるか - 独自配送網の諸刃の剣

食卓のニーズにしっかり応える食品宅配EC - 歴史に裏打ちされた独自配送網と定期購入

 

 

=================================================
ECサイト運営について悩んでいる!
コンテンツマーケティングで上手に集客したい!
アクセス解析・データ分析から売上にしっかり繋げたい!
など、ECサイト・EC関連サービスの戦略・構築・運営・活用で
お困りのことがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください!

http://empowershop.co.jp/mail/
=================================================