TikTokショップは、アジアの一部でサービスを開始し、その後英国や米国でも展開されている。しかし、現在のところ、ヨーロッパ大陸での展開は予定されていない。

 

この情報は、アムステルダムで開催されたオランダのEビジネス/マーケティング業界誌Emerce主催のEmerce E-commerce Liveカンファレンスで、TikTokのKoen Vanderhoydonck氏から得たものである。同氏は、以前GoogleやオランダのオンラインマーケットプレイスBol.comに勤務していたが、現在は、中国のテクノロジー企業ByteDanceが所有するソーシャルネットワーキング企業TikTokのプロダクトマーケティングマネージャーを務めている。

 

「このプレゼンテーションでTikTokショップのオランダ上陸が発表されると思っていたなら、失望させてしまうだろう」とVanderhoydonck氏はメインステージで発言した。「それは、実現しない」。

 

「このプレゼンテーションでTikTokショップの上陸が発表されると思っていたなら、残念ながらそうではない」

 

同氏によると、今年初めに任命されたTikTokのオランダの営業チームは、主に広告販売に重点を置いているという。ベルギーのTikTok社員は、TikTokショップを拡大する計画があるかどうか、ましてやその時期については、一切情報を提供しなかった。

 

TikTokショップ

TikTokショップは、オランダのマーケットプレイス統合サービスChannelEngineパートナーシップを結び、企業がTikTokのアプリ上で直接商品を販売し、完全なチェックアウト体験ができるようにしている。この機能は1年以上前に、インドネシア、ベトナム、シンガポールなどの一部のアジア市場で開始された。その直後、英国に拡大され、ブランドやインフルエンサーはライブ配信を行い、画面上のクリック可能な買い物かごを通して商品を販売することができる。

 

ライブストリームショッピング

報道によると、TikTokは統合ショッピング機能をヨーロッパ大陸に迅速に拡大する計画を持っていたが、英国市場での不本意な結果を受けて、その計画は保留となった。ライブストリームショッピングやソーシャルコマースの人気は、アジア市場に比べてはるかに低いといわれている。「市場はまだそこにはない」と、TikTok従業員は英国の経済紙Financial Timesで述べている。

 

「一般消費者の認知度や普及率はまだ低く、初期段階にある」

 

同社自体は、TikTokショップの展開が「一時停止、遅延、撤回」されたことを否定している。その後、ショップ機能は昨年11月から米国でのみ順次導入された。

 

エンターテインメントプラットフォーム

Vanderhoydonck氏は、TikTokについて明確に言及したように、企業が「エンターテインメントプラットフォーム」のリーチを活用できる他のさまざまな広告手法についても言及した。同氏によると、同社は、Meta所有のFacebookやInstagramなどのプラットフォームだけではなく、Netflixのようなエンターテインメントプラットフォームとも競合しているという。

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」6/8公開の記事を翻訳・補足したものです。