株式会社DGビジネステクノロジーは、国内EC売上高上位100社が運営するECサイトのサイト内検索UIを独自に調査した「大手ECサイト100社のサイト内検索調査2026」を公開した。
調査結果

ひらがな・カタカナ、全角・半角などの入力の揺れを自動吸収する「表記ゆれ対応」は、2023年の33%から2026年には78%へと大幅に改善した。この背景には、高度な処理性能を持つサイト内検索エンジンの普及があり、これによりキーワードの表面的な不一致で検索結果が表示されないという初歩的な課題は、多くのECサイトで解決されつつある。

改善しつつある「表記ゆれ対応」とは異なり「スマホ」と「スマートフォン」、「靴下」と「ソックス」など、意味は同じでも言葉が異なる「同義語」への対応スコアはわずか32%で、3分の2以上のサイトが十分に対応できていない。さらに約半数のサイトでは同義語にまったく対応できておらず、検索する言葉によって表示商品が異なるなど、ユーザーが目的の商品にたどり着けない可能性があることが明らかになった。同義語対応には辞書登録や類義語設定といった継続的な運用が必要なものの、商品の入れ替えやトレンドの変化に手動で追い続けるには限界がある。「サイト内検索エンジンを入れたのに、思ったほど成果が出ない」という声の背景には、この同義語登録の運用の壁が存在しているケースが多いと考えられる。

「同義語への対応」と並んで浮き彫りになったのが、検索結果が0件だった際のサポートで、「何も見つかりませんでした」や「検索結果:0件」と表示するだけで、キーワード候補の提示やレコメンドなど、ユーザーに次の行動を促す案内をしていないサイトが47サイト(50%)にも上っていた。
検索精度を高めても、在庫切れや入力ミスによって0件になるケースは避けられないが、その瞬間にユーザーへの「接客」を放棄することは、離脱と機会損失に直結してしまう。そのため、購入意欲の高いユーザーが検索という行動を起こした瞬間こそ、次の一手を示す設計が重要で、関連キーワードの提示や類似商品のレコメンド、カテゴリ検索のUIなど、ユーザーに次のアクションを促す仕組みを用意し、検索体験を向上することが求められる。
まとめ
表記ゆれ対応は3年で倍以上に改善し、高機能な検索エンジンの普及によってキーワードの表面的な不一致はほぼ解消されつつある。しかし今回の調査では、同義語対応のスコアがわずか32%にとどまり、0件ヒット時に適切な案内ができていないサイトも50%に上るなど、依然として改善の余地が大きいことが分かった。特に、同義語対応の低さは、従来の手動による辞書登録や類義語設定が限界を迎えていることを示唆している。
この「運用の壁」を解決する存在として、AIやLLM(大規模言語モデル)を検索エンジンに組み合わせた活用が本格化し、キーワードの「文字」を機械的に照合するだけでなく、AIがユーザーの「検索意図や文脈」を推論して補正することで、個別の辞書登録に頼りすぎない柔軟な検索体験が実現しつつある。また、類義語登録などのメンテナンスをAIが担うことで、事業者の運用負荷の削減も期待されている。
検索は単なる「商品の抽出機能」ではなく、ユーザーを目的の商品へ導く「接客機能」であるため、サイト内検索エンジンを導入するだけでなく、商品特性やユーザー属性に合わせた独自の検索体験を構築し、継続的にアップデートしていくことが求められる。そして、最先端のAI技術を活用してユーザーの「探すストレス」とEC事業者の「運用のストレス」をいかに解消していくか。その取り組みこそが、ECサイトの競争力を左右する鍵となるだろう。
「NaviPlusサーチ」について
「NaviPlusサーチ」はユーザーが商品やサービスを簡単に見つけられる高機能・多機能なサイト内検索サービス。2010年のサービス開始以来、国内の大手EC事業者様を中心に、350サイト以上で導入されており、充実したサポート体制により、導入後もEC事業者の運用を長期的に支援。また、「NaviPlusシリーズ」のレコメンドやレビューとの自動連携により、シナジーを高め、幅広いEC事業者様の売り上げに貢献している。
DGビジネステクノロジーについて
DGビジネステクノロジー(DGBT)は、デジタルガレージグループのデジタルビジネス総合支援企業。戦略支援、システム戦略、デジタルマーケティング、セキュリティ、データ活用など、多彩なソリューションを組み合わせ、戦略策定から販促、購入、リピートまで、コマースやデジタルビジネスのあらゆるプロセスを包括的に支援し、事業者の成長を後押ししている。また、グループ戦略「DG FinTech Shift」をもとに、決済事業を展開する株式会社DGフィナンシャルテクノロジーとDGBTの両輪体制で、事業者のビジネス最大化と経営基盤の強化を実施している。