国内電通グループのデジタル領域をけん引する4社は、電通が2024年2月27日に発表した「2023年 日本の広告費」の調査結果のうち、インターネット広告媒体費の内訳を、広告種別・取引手法別などの切り口で分析し、さらに2024年の予測を加えた「2023年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を発表した。

 

 

インターネット広告媒体費の広告種別構成比

 

2023年のインターネット広告媒体費は、前年比108.3%と大きく上回り2兆6,870億円だった。また、インターネット広告媒体費を広告種別で見ると、検索連動型広告は推定開始以降はじめて1兆円を突破し、前年比109.9%の1兆729億円と、構成比では最も高い39.9%という結果だった。また、ディスプレイ広告は安定的に上昇し前年比104.5%の7,701億円、ビデオ広告は前年比115.9%の6,860億円と今回の広告種別の中では最も伸び率が高かった。

 

 

インターネット広告媒体費の広告種別×取引手法別構成比

広告種別×取引手法別では、運用型の検索連動型広告がインターネット広告媒体費全体に占める構成比が最も高く39.9%、次いで運用型のディスプレイ広告が25.8%、運用型のビデオ広告が21.5%であった。ビデオ広告は、構成比としては3位だったが、運用型が前年比117.2%と大きく伸長し、予約型も前年比109.1%に増加していた。

 

 

ビデオ(動画)広告市場

 

ビデオ広告の内訳は、動画コンテンツの間に挿入されるインストリーム広告が3,837億円、ウェブ上の広告枠や記事のコンテンツ面などで表示されるアウトストリーム広告が3,022億円と約半々だった。また、ビデオ広告は、2024年も二桁成長を維持し前年比112.2%の7,697億円を達成、アウトストリーム広告とインストリーム広告はほぼ同等の成長をすると予測される。

 

 

ソーシャル広告

 

ソーシャルメディアのサービス上で展開されるソーシャル広告は、前年比113.3%の9,735億円で、インターネット広告媒体費に占める構成比は36.2%となり、前年よりも1.5ポイント高まった。ソーシャル広告の広告種類別構成比においては、ソーシャル広告を種類別に「SNS系」、「動画共有系」、「その他」に分類すると、SNS系が4,070億円、動画共有系が3,372億円と、合わせて76.4%を占めていた。