マーケティングエージェンシーのPR Novo(本社:米国)のCEO、Sofia Shved氏がパーソナルブランディングの重要性と成功へ導く企業努力の方法を語る。

 

ビジネスがますますオンラインで行われるようになった世の中で、パーソナルブランディングは今まで以上に重要な意味を持つようになった。注目を集め、ビジネスで成功を収めるには、ブランディングを管理し、確実に機能させなければならない。

 

PR NovoのCEO、Sofia Shved氏

 

PR NovoのCEOであるSofia Shved氏は、パーソナルブランディングをよく理解している。これは、同氏がパーソナルブランディングの重要性とそれがビジネスの成功にどう貢献するかについて説明した記事である。

 

現代のパーソナルブランディング

パーソナルブランディングは、一般的な言葉である。根本的には、競合と差別化を図るべく、あなた自身(ここでは企業や組織)についての物語を作成するプロセスと投資である。それは、顧客や企業、あなたのオファーに興味を示す人々を惹きつけるのが目的だ。

 

基本的に、求職者、起業家、フリーランス、社員のどの立場であっても、誰かに自分を売り込む時はいつも、パーソナルブランディングに飛びついているのだ。多くの人がパーソナルブランディングを行っているものの、残念ながら、それは一番シンプルな方法である。

 

自分がどういう人物か、何をしてきたか、なぜ誰かが関心を持つべきかというストーリーを作り、そのストーリーを世界にシェアする。しかし、ここで止まってしまうと、起業家、ビジネスパーソン、専門家、フリーランス、アーティスト、さらに多くの人々がまさに自分自身を見失い、パーソナルブランディングについての道を閉ざしてしまうことになる。パーソナルブランディングは、好印象を生み出すだけのものではないのだ。

 

それは、本物であり、関係を築き、あなたとあなたの仕事をサポートしてくれる情熱的な仲間を作ることだ。それは、自分が何者で、何を目指しているかを理解し、服装から話し方、他人との接し方、取り組むプロジェクトまで、それを元に自分の行動のすべてをかたちづくることだ。

 

この点に注目してみてほしい。今、あなたやあなたのビジネスにとってパーソナルブランディングとは何か、どのようにアプローチするか考えてみてほしい。自分ではない何かになるための機会だと考えているだろうか。それとも、本物の自分を世界にシェアし、同じ志を持つ人たちと関係を築くための手段なのだろうか。

 

パーソナルブランディングの裏側

もし、パーソナルブランディングで本当の自分にアプローチしなかったら、闇の道を進むことになる。燃え尽き症候群や不信感をもたらし、自分自身の心さえ不安定になる道だ。

 

私は、共に働く企業や人物がそうなるのをよく目にしている。おそらく、多くの企業にとって、パーソナルブランディングは「なりたい自分」や「見てもらいたい自分」をイメージするシンプルな方法だが、限界がある。そしてそれは、長い目でみて、続けられるものではない。本当の自分ではないペルソナやイメージを作りたくなるのは理解できるが、結局は見破られてしまう。本物ではないことがわかれば信頼を失ってしまうだろう。

 

一方で、パーソナルブランディングは、正しく行えば、生活、ビジネス、キャリアを変える力を持っている。それは、あなたの価値観、情熱、目標を共にする人とつながる方法であり、関係を築き、機会を生み出す方法なのだ。

 

パーソナルブランディングは、偽りのペルソナを作ることではない。あなたがどういう人物で、何を達成したいのかを理解することなのだ。

 

パーソナルブランディングの重要性

パーソナルブランディングは、ビジネスとキャリアの基盤であり、不可欠な要素である。それは、競争の激しい市場で自身を目立たせるものだ。

 

パーソナルブランディングによって競合に差をつけることができるのは確かだが、それ以外にもメリットがある。優れたパーソナルブランドは、ビジネス活動に信頼性を与え、さらなる成功に導いてくれる。また、あなたの価値観に合う顧客、クライアント、投資家を惹きつけるだろう。さらに、あなたの発言、行動、着手する事業について、オーディエンスがあなたをより信頼することを保証するものでもある。

 

例えば、あなたが信頼に裏打ちされた堅実なパーソナルブランドを持つライフコーチであるとしたら、クライアントはあなたの奨めに従い、友人や家族をあなたに紹介する可能性が高まるだろう。また、あなたの価値観や人柄と特別につながりを持ちたいので、あなたに支払う報酬を増やすかもしれない。同じことはどのビジネスにも起こる。もし、あなたに信頼があれば、あなたともっとビジネスをしたいと思うだろう。優れたパーソナルブランドはこの始まりなのだ。

そして、強いパーソナルブランドは、門戸を開き、チャンスをもたらし、目標を達成する手助けとなるだろう。

 

パーソナルブランディングを習得するには

現在取り組んでいることや、より強固なイメージを築くために積極的に行っていることなど、自身のブランディングについて時間をとって考えよう。

 

私がクライアントと仕事をするとき、それは長いプロセスとなる。ビジネスと個人が変わるだけでなく、世界も変わっていく。新しい出来事、状況、テクノロジーが絶えずあり、多くの道を切り開いている。

 

最高のパーソナルブランドを築くためには、いろいろなやり方がある。しかし、パーソナルブランディングの核となる部分は、外界に関係なく変わらない。

 

以下は、私がクライアントに覚えておくように伝えていることだ。

 

本物であること:先ほども述べたが、偽りは本当に簡単に見破られてしまう。自分自身に誠実に、自分らしさを反映したパーソナルブランドを築こう。

 

一貫性を持つ:いったん定めた自分のブランドは、すべての行動において一貫性がなければならない。一貫性は、オーディエンスの信頼と信用を築くだろう。

 

我慢強く:堅実なパーソナルブランドの構築には時間がかかる。一朝一夕にして実現することはない。我慢強く、長期戦の視点で取り組むこと。

 

すぐに始める:自分のブランドを構築する一番良い時期は今だ。あなたがそこにいる間、刻々と、人はあなたと働きたいかどうか、意見を形成している。だから、さっそく取り掛かり、本物の自分を世界にシェアしてほしい。

 

まとめ

パーソナルブランディングは、あなたのビジネスとキャリアの基礎となる必須要素である。それは、競争の激しい市場で自身を目立たせるものである。強力なパーソナルブランドは、あなたの価値観に合う顧客、クライアント、投資家を惹きつけることができる。

堅実なパーソナルブランドを築くには時間と労力がかかるが、それだけの価値があるものだ。

 

※当記事は米国メディア「Entrepreneur」の7/11公開の記事を翻訳・補足したものです。