イタリアでのオンライン販売の総売上が、過去4年間で倍増している。現在、イタリアのオンライン小売の売上総額は約240億ユーロに上り、これは同国の小売業界全体の6%にあたる。
イタリア最大のビジネス協会Confcommercioの調査によると、2017年のイタリアのeコマースは240億ユーロを売上げ、前年と比較して19%増。たった4年間で倍増した理由の1つは、消費者の習慣の変化であるという。
2008年以降6万3,000の実店舗が閉店
イタリアではオンラインショッピングを好む人が増えており、2008年以降、実店舗は6万3,000店ほど閉店している。中でも、衣類や日用品を販売する実店舗が最も打撃を受けているようだ。もちろん主な原因は経済危機であるが、オンライン購入を好む消費者の増加も一因となっている。
オンライン購入が多い分野は、旅行業(31%)や情報技術(22%)、家電製品であり、本、音楽、映画(11%)が続く。衣類は、たった5%に過ぎない。
「オンラインとオフライン統合の必要性」
Confcommercioの会長Carlo Sangalli氏は、「オンラインとオフライン(実店舗)コマースを統合しなければならない」と語る。さらに「すべての事業者に対して、同じルールが適用される必要がある。同じ規制や同じ税率といった平等な条件のもとで、競争させるべきなのだ」とも。
Confcommercio開発政策担当責任者のFabio Fulvio氏も同意する。同氏は、小売店とオンライン販売の統合は、将来不可欠なものだと言う。「オフラインとオンラインは、お互いに補完し合っている。というのも、オンラインか実店舗のどちらか一方だけしか利用しないという消費者はいないからだ。消費者は、その時々に応じて、オンラインも実店舗も利用するのである」と続けた。
※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の4/16公開の記事を翻訳・補足したものです。