ヤマトホールディングスは、中国最大の小売事業者である京東集団と、双方が持つ経営資源を活かした広範囲での包括的アライアンスに向けた検討を行うための基本意向書を6月28日に締結したと発表。中国国内におけるコールドチェーンの拡大とクロスボーダービジネスの拡大を図る。

 

京東集団とヤマトホールディングスの提携

京東集団は、中国インターネット通販大手。より便利かつ迅速なサービスを提供するため、生鮮食品や医薬品などを生産・輸送・消費に至るあらゆる過程で低温に保つコールドチェーンのインフラ設備を強化することを課題としている。そのため、高品質・高性能な小口保冷輸送ノウハウを持つヤマトホールディングスと提携し、サービス力の向上を図る。

ヤマトグループは、2010年に上海で宅急便事業を開始後、小口保冷配送のノウハウや日本におけるブランド力を活かし、中国と日本、ASEAN、欧米間のクロスボーダー事業の拡大を進めてきた。2016年4月からはヤマトホールディングス傘下のヤマトグローバルロジスティックスジャパンとJD.comのクロスボーダープラトフォーム京東国際(JD Worldwide)とフランク連携し、中国EC市場に進出する日本企業に向けたワンストップの物流及びマーケティングサービスを提供開始している。

ヤマトグループは、日本と中国間の輸出入取引をさらに拡大させるために、中国国内における宅配ネットワーク、日本商品の売り場の確保などを行うパートナーを検討してきたという。今回の業務提携によって、両者が保有する経営資源を活かし、中国国内におけるコールドチェーンの拡大、およびクロスボーダービジネスの拡大を実現したい考えだ。

 

中国における小口保冷配送の充実、クロスボーダービジネスの拡大が狙い

基本意向書の検討項目には、京東集団が中国国内で構築するコールドチェーンネットワークに対して、ヤマトグループが小口保冷サービスに関するコンサルティングを行い、世界各国と中国間で保冷小口貨物を相互に送ることが盛り込まれている。

また、京東集団が日本を中心とした海外製品を輸入する際や、中国製品をASEAN等各国に輸出する際に、ヤマトグループの海外ネットワークなどの経営資源を活用することも含まれ、クロスボーダービジネス拡大のための足がかりとして今回の提携を活用していくことが示された。

▲ヤマトグループと京東集団の協力及び包括的アライアンスにむけた基本意向書の調印式

 

ヤマトグループと京東集団は、9月末日をめどに契約書を締結する意向。ヤマトグループが保有する小口保冷配送のノウハウやブランド力、京東集団の宅配ネットワークや顧客数を生かし、中国におけるコールドチェーンの拡大およびクロスボーダービジネスの拡大といった目標の実現を図っている。

 

<参考>

【中国】図解 - Amazon、アリババ、JD(京東)のビジネスモデル