これまでには考えもしなかった場所でB2Bのオーディエンスにリーチしよう。そして、Reddit、YouTube、TikTokを活用して、成果を上げるペイドメディアキャンペーンを展開しよう。


B2Bマーケティングにおいては、従来のチャネルに固執するだけでは可能性が限られてしまうかもしれない。

オーディエンスが多様化し、新たなプラットフォームが登場するなか、メディア戦略を拡大することは、意思決定者が時間を費やす場所でエンゲージするためのゲームチェンジャーとなり得る。

しかし、どのチャネルが自社の戦略に合致し、ターゲットオーディエンスの共感を得られるかについては、どのように判断すればよいのだろうか。

この記事では、オーディエンスの理解を深め、明確で効果的なメディアプランを策定し、B2Bマーケティングに新たな強みを与えることができる、見過ごされているプラットフォームを探るための戦略について説明する。

 

最初にすべき最も重要なこと:オーディエンスを理解する

顧客を理解するためのツールが不足していると感じている人は、驚くほど多い。CRM(顧客関係管理)には、あなたが思っている以上に貴重なインサイトが隠されている可能性がある。CRMは、以下の3つの重要な課題を解決するのに役立つ。


●ビジネスに結びついたデータ

適切に記録されていれば、CRM はビジネスとのすべてのやり取り(成功、失敗、不適格など)を追跡し、傾向やパターンを簡単に特定できる。


●購買委員会の調査

マーケティング・キャンペーンは適切な人をターゲットにしているだろうか。CRMには、営業活動やパイプライン活動に関与している人物を含める必要がある。このデータは、ターゲティングが適切な対象者に届いているかを確認するのに役立つ。


●適任に見えるが適任でない人物の把握

ある企業やアカウントは完璧に適合しているように見えたが、結局は営業によって不適格とされただろうか。多くのアカウントが不適格となるプロセスを経ていないだろうか。これらのアカウントの共通点を特定し、それに応じて調整できるようにしよう。


オーディエンスをより深く理解するための他の戦術には、次のものがある。


●LinkedInグループ: あなたが販売しようとしているものには、LinkedIn(世界最大級のビジネス特化型SNS、および同サービスを提供するシリコンバレーの企業)グループがある。そのグループ内の企業の役職と企業特性を調べてみよう。彼らは、何を議論しているだろうか。彼らの懸念や共通の問題点は何だろうか。可能性は無限である。


LinkedIn Insightタグ: このタグを設定すると、Webサイトにアクセスするユーザーに基づいて、役職、会社名、会社の規模、勤続年数などの属性を特定することができる。また、ブログと主要ページの訪問者を比較し、豊富な情報を収集することができる。


競合他社のWebサイト: 競合他社が注目している業界と役職を監査したことがあるだろうか。競合他社は、特定の業種のケーススタディを他の業種よりも多く取り上げているだろうか。これにより、貴社のクロスリファレンス(相互参照)に向けて、彼らの優先事項に関する貴重な洞察が得られる。

 

賢く計画する:基本的なメディア計画の立て方

私がよく目にする考え方は、マーケティング担当者がどこにでも出没したがり、複数のチャネルに2,000ドルを効果的にばら撒けると信じていることである。

残念ながらこのアプローチでは、規模を拡大したり、意味のある結果を出したりする能力が制限されてしまう。焦点を絞ったメディア計画は、すべての努力を統合し、各チャネルの可能性を明確に把握し、最大の効果が得られるように予算を配分するのに役立つ。

成功するメディア計画には、以下が含まれる。

●ターゲットオーディエンスのセグメンテーションと特定

●明確な目標と目的

●マルチチャネル戦略

●予算配分

●パフォーマンス測定と分析

 

常識にとらわれない: B2B向けの異色のプラットフォーム

しっかりとしたメディアプランがあれば、主流ではないプラットフォームも含め、新しいことに挑戦する絶好のチャンスである。


Reddit広告

Reddit(米国発のソーシャルメディアプラットフォーム)では、ユーザーはただ無目的にスクロールしているのではなく、質の高いアドバイスを積極的に求めている。Reddit利用者の68%はLinkedInを利用していないため、これは大きなチャンスとなる。

このプラットフォームは、B2Bの購買プロセス全体を通じて優れたリサーチ・リソースとして機能し、あらゆる段階でエンゲージすることが可能である。

●問題の特定(認識)

●解決策の検討(検討)

●適合性の評価(調査)

●候補リストの確認(アドボカシー/支持)

●賞賛や批評によるコミュニティ・サポートの提供(リテンション/維持)


Redditでの広告を始めるにあたり、さまざまな広告フォーマットについて詳しく説明した記事を最近書いた。考慮すべきいくつかの簡単なヒントを、以下で紹介しよう。

●ターゲットオーディエンスがあなたのサイトを訪問しているかどうかを確認するためにピクセルを設定し、リマーケティング向けのコンテンツプールを作り始めよう。

●あなたのニッチに適したサブレディット(Reddit内のスレッド)を見つけよう。

●広告のプレイスメントが気になるだろうか?広告が適切なスペースに表示されるよう、Redditのさまざまな広告インベントリオプションを確認して理解しよう。


YouTube広告

DTCやB2Cのマーケティング担当者にとっては異例に思えるかもしれないが、B2B企業の多くはYouTubeの効果的な活用に苦戦している。

YouTubeの強みは、企業のサービスに関する有益で関連性の高い情報を提供し、潜在的な購買者の意思決定プロセスを導くことができる点である。

また、YouTubeは積極的に検索していないユーザーにもコンテンツを配信することができる。ほとんどのバイヤーはマーケットから離れていることが多いため、これは非常に重要である。

YouTube広告のテストや拡大を考えているなら、以下のキャンペーンタイプを検討してみてほしい。


●リーチ向けに、動画リーチキャンペーンを活用する。

●ブランド検討に、動画視聴キャンペーンを利用する。

●エンゲージメントと購入検討の促進に、デマンドジェネレーションキャンペーン(以前は「動画アクションキャンペーン」だったが、これは2025年第2四半期に段階的に廃止される予定)を選択する。

●コンバージョンのためには、Googleはパフォーマンスマックス検索キャンペーンを組み合わせることを推奨している。


TikTok

現在最も急成長しているソーシャル・プラットフォームのひとつであるTikTokを、無視することはできないだろう。

購買層は若年化しており、ミレニアル世代とZ世代が大きな意思決定と購買力を握っている。特に、2024年には米国のTikTokユーザーの4分の1近くが25歳から34歳の個人で占められることになる。

このプラットフォームで始めるための2つの簡単なステップを紹介しよう。


●カスタムオーディエンスを設定し、過去に自社サイトにアクセスしたユーザーを再度獲得する。

TikTok検索広告を活用する。これはB2Bマーケターにとって大きなチャンスである。広告主はTikTokの検索結果にお金を払って表示させることができる。この意図は対価性に傾いたものではあるが、重要な意思決定者とつながるユニークな方法である。

 

B2Bペイドメディアプランを最大限に活用する

B2Bマーケティングが進化し続けるなか、一歩先を行くには、斬新なアプローチやプラットフォームを受け入れることが必要となる。

Reddit、YouTube、TikTokのような未開拓のツールを活用するにしても、しっかりとしたメディアプランで戦略を微調整するにしても、成功はスマートな実験から生まれる。ターゲットとする購買層や、彼らにアプローチする方法は変化している。

このような新しい機会を受け入れ、機敏に行動することで、オーディエンスとのエンゲージメントを高め、ビジネス目標を達成することができるのだ。

 

ご覧いただきたい:代替プラットフォームでB2BペイドメディアのROIを最大化するには

SMX Advanced(検索マーケター向けのカンファレンス)での私のプレゼンテーションはこちら。


※当記事は米国メディア「Martech」の11/8公開の記事を翻訳・補足したものです。