Salesforceの「State of Marketing Report」によると、マーケターはデータを活性化し、顧客の全体像を把握するのに苦労しているという。


クラウドコンピューティングサービスを提供する米国企業Salesforceの最新レポート「State of Marketing Report」によると、デジタルマーケティング担当者の約61%がいまだにサードパーティデータを利用しているという。また、データの活性化、パーソナライゼーション、AIの最適化にも問題があることがわかった。

サードパーティデータを利用するマーケターの割合は、2022年の75%から減少しているが、これは信頼できる情報を見つけることについての問題を示している。マーケターの84%が利用している上位3つのデータソースは、カスタマーインサイト、ファーストパーティデータ、トランザクショナルデータである。

パーソナライズされたエクスペリエンスのために顧客データを結びつけることは常に課題であるが、サードパーティCookieの段階的廃止とAIの台頭は、企業にとってこの複雑なカスタマージャーニーの状況における前進を、より重要で、かつ困難にしている。顧客データソースを統合する能力に完全に満足しているマーケティング担当者は、わずか31%に過ぎないのだ。

 

アクティベーションのボトルネック

マーケティング担当者は、データを持っているだけでは十分ではなく、データを効果的に活用することが依然としてハードルであることに気づいている。重要な指標である顧客生涯価値(CLV)を追跡しているマーケティング担当者は、わずか48%にとどまる。さらに、59%は、重要なタスクのためのリアルタイムのデータが不足しており、潜在的に古い情報や直感に頼っている。また、ライブデータへのアクセスがあっても、アクティベーションがボトルネックになっているという。52%が「キャンペーンにリアルタイムデータが利用可能である」と主張する一方で、59%が、それを利用するためにIT支援を必要としている。これは、容易にアクセスできるデータツールの不足や、効果的な利用を妨げるスキルギャップの可能性を示唆しているといえよう。

出典:Salesforceの「State of Marketing Report」第9版


「パーソナライズされたエクスペリエンス」を構成する要素は、依然として未完成である。マーケティング担当者の32%のみが、顧客データを活用して適切な体験を創造する方法に完全に満足している。調査対象者の約43%は、パーソナライゼーションに対して断片的なアプローチを用いている。つまり、ある段階では顧客のニーズを理解し、他の段階では大量のメッセージを活用しているということだ。


マーケターはAIの力を活用することに熱心で、32%がすでにAIを使用しており、43%が実験中とのこと。しかし、導入が進むにつれて、セキュリティと顧客の信頼が大きな懸念事項となっている。AIを使うメリットに対する魅力は否定できず、マーケターの88%がそれを逃すことを懸念している。しかし、特にエグゼクティブにとっては、データ・セキュリティや雇用を損なうことなくAIを導入できるのかという不安が、現実のものとなっている。CMO(最高マーケティング責任者)はデータの漏洩について特に懸念しており(41%)、VPの29%とチームリーダーの32%の回答を上回っている。


本レポート(要登録)は、2024年2月5日から3月12日にかけて実施された二重匿名調査に基づいている。この調査では、北米、中南米、アジア太平洋、ヨーロッパのマーケティング意思決定者から4,850件の回答が寄せられた。

※当記事は米国メディア「Martech」の7/3公開の記事を翻訳・補足したものです。