過剰在庫はファッション業界において重要な課題である。最近、ドイツのスタートアップ企業Smatch(B2Bマーケットプレイス)は、この問題に取り組むためのB2Bプラットフォームを立ち上げた。小売業者は、このプラットフォームを通じて余剰在庫を販売することができる。今のところ、このプラットフォームは繊維分野で稼働中だが、同社は近いうちにほかの分野も追加したいと考えている。

Smatchによると、過剰在庫は大きな経済損失を招いている。2020年における世界全体の年間負担は、3兆ユーロと推定。また、環境にも重大な影響を与えているという。毎年生産される全ファッション商品のうち約25%は、一度も着用されることがないのだ。これが海洋でのマイクロプラスチック汚染のおよそ7%を引き起こしている。


Smatchの過剰在庫向けソリューション

現在、Smatchは国際取引のための新しいB2Bプラットフォームを立ち上げ、この問題に対処したいと考えている。このB2Bマーケットプレイスでは、ブランドや小売業者は余剰在庫を効率的に取引できる。売り手は、商品の詳細を追加し、潜在的なバイヤーや、どの地域や流通チャネルを目指すかなど、販売のタイプを選択することができる。これによって売り手は利益率を回復し、ブランド・インテグリティ(誠実さ)を維持することができるのだ。


「最近のプラットフォーム立ち上げ以来、Smatchはすでに数億ユーロに相当する取引を処理している」


「毎年、ヨーロッパだけで580万トンの繊維製品が廃棄されている。Smatchの力で、この分野に大きなプラスの影響を与えたいと考えている」と、Smatchの共同創業者であるMax Groberg博士は語った。同社は最近のプラットフォーム立ち上げ以来、すでに数億ユーロに相当する額の取引を処理している。「私たちはブランドと小売業者のニーズに応え、各商品が理想的な顧客を見つけ、収益性とブランド価値の両方を最大化することを約束する」。


革新的なアプローチ

同社を支えているのは、創業者でマネージングディレクターのHans Martin Vetter博士(元McKinseyのコンサルタント)とMax Groberg博士(最近ではドイツのファッションオンライン小売業者About Youの企画経営責任者を担当)である。Smatchは設立後すぐ、プラットフォーム開発のために、250万ユーロの投資資金を集めることに成功している。


※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の10/2公開の記事を翻訳・補足したものです。