東南アジア・台湾で最大規模のEコマースプラットフォーム、Shopeeの日本法人であるショッピージャパン株式会社は、越境EC事業の責任者、担当者111名に対し、越境EC事業の広告費に関する実態調査を実施した。

 

 

調査結果

 

「Q1.お勤め先の越境EC事業について、どのくらい運用できていますか。」と質問したところ、「レベル2|ある程度認知や集客ができているが不十分で、運用上の課題も多い」が46.8%と最も多く、「レベル3|認知や集客ができているが、運用上の課題がある」が23.4%、「レベル1|認知や集客が全くできておらず、運用上の課題も多い」が18.0%と続いた。また、越境事業に対し、課題があるとと回答したのは88.2%と、約9割の企業にとって越境EC事業に悩みがあることが分かった。

 

 

Q1で「わからない/答えられない」と回答した方に、「Q2.お勤め先の越境EC事業における、売り上げに対する広告費の割合を教えてください。」と質問したところ、「5~10%未満」が33.0%と最も多く、「3~5%未満」23.9%、「10~15%未満」が18.3%という結果だった。EC事業の運用についてわからないと回答しているものの、広告費を20%以上かけている企業は2割いた。

 

 

Q1で「わからない/答えられない」と回答した方に、「Q3.越境EC事業において、広告費への投資は重要だと思いますか。」と質問したところ、「非常にそう思う」が42.2%、「ややそう思う」が50.5%という回答となり、ほとんどの企業が越境EC事業において広告費をかけるという意見だった。

 

 

Q1で「認知や集客が全くできておらず、運用上の課題も多い」「ある程度認知や集客ができているが不十分で、運用上の課題も多い」「認知や集客ができているが、運用上の課題がある」と回答した方に、「Q4.越境EC事業において、どのような課題を感じていますか。(複数回答)」と尋ねたところ、「売上の伸び悩み」が71.4%、「リピート購入が少ない」が67.3%、「新規顧客の獲得」が52.0%だった。

 

 

Q3で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方を対象に、「Q6.越境EC事業において広告費への投資が重要だと思う理由を教えてください。(複数回答)」と質問したところ、「認知されやすくなるから」が71.4%、「リピート購入につながりやすいから」が71.4%だった。この結果から、「越境EC事業の課題」と、「越境EC事業に対して重要だと思うこと」の両方に「リピート購入」が入っており、リピーターを増やしていくことが重要視されていた。

 

 

まとめ

 

越境EC事業の運用は、約7割が「ある程度認知や集客ができているが不十分で、運用上の課題も多い」レベルに留まる実態が明らかとなった。また、課題が多いと感じる担当者は多いものの、売り上げに対する広告費の割合は、「5%」がおおよその相場となっており、越境EC事業において「広告費への投資は重要」と考えられていることが分かった。

さらに、国内市場では他社との競争があるが、越境EC事業においては他国の企業とも競合することになり、海外市場での競争力を強化するために広告費は非常に重要な投資の一つだと考えられていた。そして、国内市場でのEC事業と同様に越境EC事業における広告投資は、海外市場で効率的に商品やサービスの魅力をアピールし、同時に自社ブランドの認知度を高めることもできる。越境EC事業に乗り出す企業が増える今、他社との差別化をより高めるためには広告施策が必要不可欠だと言えるのではないだろうか。