東南アジア・台湾で最大規模のEコマースプラットフォーム、Shopeeの日本法人であるショッピージャパン株式会社は、越境EC事業の経験者110名に対し、越境ECの物流に関する実態調査を実施した。

 

 

調査結果

 

「実際に越境ECに着手した際、物流に対する課題を感じましたか」という質問に対し、「非常に感じた」が40.0%、「やや感じた」が55.5%と、課題を感じたのは全体の95.5%にのぼり、逆に「全く課感じなかった」のは0%だった。この調査で、ほとんどの事業者は、越境ECをするにあたり何らかの課題にぶつかることが分かった。

 

 

Q2で「非常に感じた」「やや感じた」と回答した方に、「Q3.実際にどのような越境ECの物流に対する課題を感じましたか。(複数回答)」と質問したところ、「通関手続きの手間」が61.0%、「返品対応の難しさ」が53.3%、「配送コストの高さ」が49.5%という回答となった。通関手続きや、返品対応等、海外とのやりとりだからこそ、円滑に行きづらい部分を課題に感じているのかもしれない。また、「配送コストの高さ」に加え、「在庫管理コストが高い」も3割の人が課題と考えており、金銭的な部分においても悩んでいる事業者が一定数いそうだ。

 

 

Q2で「非常に感じた」「やや感じた」と回答した方に、「Q5.あなたは、どのようにして越境ECの物流課題を解決しましたか。(複数回答)」と質問したところ、「フルフィルメントサービスの活用」が54.3%、「商品、輸送費、関税を含んだオールインワン価格の設定」が48.6%、「物流委託サービスの活用」が43.8%、「倉庫管理システムの導入」が42.9%となった。この結果から、課題を解決するためには、他者サービスやシステムを活用する、もしくは、他社と提携することが解決へのカギとなりそうだ。

 

 

越境ECの物流のオペレーションをどのように構築しましたか」と質問したところ、「他社への物流委託」が52.7%、「自社からの直接配送」が41.8%という結果となった。さらに、「他社への物流委託」と回答した方に、「Q7.あなたが、物流委託先を選ぶ際に重視したポイントを教えてください。(複数回答)」と質問したところ、「料金やサービスのカスタマイズ性」が72.4%、「初期費用などの固定費の安さ」が51.7%、「運用開始までのスピード」が48.3%という結果となり、値段とスピード感を重視して選択していたことが分かった。

 

 

まとめ

 

今回は、越境EC事業の経験者110名に対し、越境ECの物流に関する実態調査を実施したが、越境EC事業の経験者95.5%が、実際に越境ECに着手した際に、物流に対する課題を感じたことが判明した。課題の内容は、「通関手続きの手間」が61.0%で最多、次いで「返品対応の難しさ」が53.3%で、課題の解決方法としては、「フルフィルメントサービス」を活用する人が多く、半数以上が越境ECの物流オペレーションを、「他社への物流委託」で構築していることが分かった。また、物流委託先を選ぶ際に重視するポイントとして72.4%が、「料金やサービスのカスタマイズ性」、51.7%が「初期費用などの固定費の安さ」と回答しており、物流委託を行うことで、9割が現地での物流の動きをリアルタイムに把握できていたことも明らかになった。

 

越境EC事業の需要が高まる一方で、越境ECへの着手はハードルが高いと感じる経営者も多く、実際、越境EC事業の経験者も様々な課題を実感し、ほとんどが物流委託サービスを活用することで解決していた。このことから、多くのEC事業経営者が持つ越境ECへの高いハードルは、専門企業によるサービスの活用により払拭されるのではないだろうか。