エンパワーショップ株式会社は、決済サービスを提供するPayPal Pte. Ltd.と共同で、ECサイト構築サービスを提供している企業からランダムに65社(サービス)をピックアップし、決済や海外販売に関するアンケート調査を実施した。実施時期は2022年11月下旬から2023年1月中旬、各設問に対して対象の4割程度の23~28社(サービス)から回答を得たので紹介していく。

 

 

調査結果

 

「現状どのような決済手法に対応していますか?(複数回答)」との質問に対し、「クレジットカード」が27社、「代引き」が26社、「後払い」が25社、「コンビニ決済」と「銀行振込」と「ID決済」が24社と続いた。また、キャリア決済、paypal決済も半数以上で導入されているようだ。

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「御社として決済代行会社をどのような視点で選びますか?(複数回答)」との問いには、「市場ニーズの高さ」が21社(84%)と最多で、「安全性が高い(不正対応)」が14社、「新規顧客を紹介してもらえる」が13社だった。特定の顧客に合わせて決済代行会社を決めるというわけではなく、市場の需要に合わせて決済代行会社を選択することが最重要ではあるが、安全性と言う基本をしっかり抑えて、自社のメリットになると言う点も重要と考えていることが明らかになった。また、システム連携容易性や自社収益源になると言う回答も半数弱あり、ECサイト構築サービス会社目線でも負荷が少なく収益性のある決済サービスに魅力を感じることも分かった。

 

続いて、「EC事業者は主にどのような基準で決済会社を選びますか?(複数回答)」との質問には、「買い手からのニーズ」が24件、「手数料率の低さ」が20件、「安全性が高い(不正対応)」が10件と、こちらも「買い手からのニーズ」が最も重要視されていた。しかし、先ほどの結果とは異なり、EC事業者の場合は、2位に「手数料率の低さ」が浮上しており、需要や安全性を求めつつも、コストを抑えたいと考えている事業者も多いことも頷ける。

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「新しい決済手法を導入する際のハードルは何か(複数回答)」という問いに対し、「工数を決済導入の方に割けない」が17件と最多、「高い開発費用がかかる」が15件、「決済手段が増えると管理業務が増える」が12件となり、主に、決済サービス導入に関わる開発が、ECサイト構築サービス会社には負担になっていることが分かった。

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最後に、「貴社システムの海外販売への対応状況についてご教示ください」の質問では、「転送サービスなど他社サービスとの連携」が11件、「対応はしておらず今後対応する計画もない」が7件と、他社と連携し、海外販売を対応している企業はあるものの、海外対応しないと回答した企業もある一定数おり、システム自体の海外販売への積極展開をするサービスは多くは見られなかった。

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まとめ

 

今回の調査は、一般的に多くみられるEC事業者に対してではなく、ECサイト構築サービス提供会社への意識調査と言う点が特徴的だ。決済手法の導入状況については、EC事業者の導入状況と大きな差は見られないが、決済代行会社の選定基準については、差が見られた。また、近年勃興してきている新しい決済サービスとの連携については、思った以上にハードルが高い状況が読み取れた。