欧州オンラインファッション大手のZalando のアクティブ顧客数が、初めて5,000万人を突破した。同社のアクティブ顧客ベースは、前年比で8%増加。さらに、同社のロイヤリティプログラム「Plus」の会員数はおよそ3倍に増加した。

 

5,020万人のアクティブ顧客

Zalandoはドイツの最大手オンラインストアの1つであり、世界的なeコマース大企業に成長した。今週、同社は、2022年第3四半期の決算を発表。ロイヤリティプログラムのおかげで、現在、合計5,020万人のアクティブ顧客を有している。平均して、アクティブユーザーは1人あたり5.2件の注文を行ったという。

 

「収益性改善のためにさらなる対策を進める」

 

Zalandoの共同CEOであるRobert Gentz氏は、「アクティブ顧客が5,000万人に達し、顧客との関係を深められていることを誇りに思う」と述べている。「私たちは、この激動の時代を慎重に乗り切り、収益性を改善するための対策と、顧客をインスパイアし、顧客との関係を深めるための戦略的なイニシアチブを推進していく」。

 

32億8,000万ユーロのGMV

さらに、今年第3四半期の同社のGMV(流通取引総額) は、前年同期と比較して7.1%増加。GMVの総額は32億8,000万ユーロに達した。売上高は23億5,000 万ユーロにのぼり、昨年比で2.9%の成長を遂げている。

 

「現在は、最低注文額を下回る注文でも利益が出ている」

 

ZalandoのEBIT(利払前・税引前利益)も改善し、1,350万ユーロ(37.8%の成長)となった。「最低注文額の導入により、顧客は買い物かごの中身を増やすか、配送料を支払うようになった。その結果、最低注文額を下回る注文であっても、現在は利益を確保できている」と同社はプレスリリースで述べている。

 

純利益は3,540万ユーロ

こうした成長にもかかわらず、同社は依然として赤字経営だ。純利益は3,540万ユーロの損失である。なお、前年同期の純利益は840万ユーロの損失だった。

 

同社は、この状況が消費者信頼感の低下とインフレに関連している可能性を指摘。「第4四半期の消費者支出の動向は不透明だが、当社は戦略的優先事項と財務見通しを実行し、実現するために懸命に取り組んでいる」とCFOのSandra Dembecksi氏は語る。

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の11/4公開の記事を翻訳・補足したものです。