多くのコンバージョン率オプティマイザーは、最新のトレンドを追い、競合を避け、既存のコンバージョン率の一貫性を保つことに頭を悩ませているが、最大の問題は水面下に潜んでいる。多くのコンバージョンオプティマイザーにとって最大の問題は、「自己満足」だ。

 

ウェブサイトを持つビジネスが成功するためには、コンバージョンが必要だ。コンバージョンとは、ユーザーが最終的に収益を上げる可能性につながる有意義な行動のことで、商品を購入したり、会社に電話をかけたり、あるいは単に動画を見たりすることを意味する場合もある。いずれにせよ、より多くのコンバージョンを獲得することが、企業収益向上につながり、そして最終的には大きな利益につながっていく。

 

そのため、CRO(Conversion Rate Optimization:コンバージョン率最適化)が非常に重要だ。コンバージョン率最適化とは、ユーザーがページを閲覧している時にコンバージョンを獲得する確率を最大化するために、コピーやデザインなどのサイト内の要素を調整するプロセスだ。

 

多くのコンバージョン率オプティマイザーは、最新のトレンドを追うこと、競合を避けること、既存のコンバージョン率の一貫性を維持することを心配しているが、最大の問題は、水面下に潜んでいる。

 

多くのコンバージョンオプティマイザーにとって最大の問題は、「自己満足」だ。

 

自己満足の定義

ここでいう「自己満足」とは、コンバージョン率を現状維持することだ。コンバージョン率を上げるために努力したり、新しいことを試して効果を確認したりするのではなく、既存のエンジンの働きをそのままにして、じっと満足している状態だ。

 

なぜ自己満足が問題なのか

なぜ、このことが問題となるのだろうか。

 

・「適切な」コンバージョン率受け入れ

企業の適切なコンバージョン率がすでに達成されている場合は、自己満足はそれほど問題ではないかもしれない。たとえば、最初にビジネスを立ち上げたとき、コンバージョン率が1%未満だったとしよう。数か月の実験といくつかの新しい戦略の導入後、コンバージョン率を2.5%まで上げることができた。これは大きな増加であり、喜ぶべきことだ。しかし、マーケティング担当者は、これを機能の改善をやめるべき理由とみなすことがあまりにも多い。コンバージョン率をさらに高くするのではなく、このコンバージョン率を維持することに重点を置いてしまうのだ。3%や5%、またはそれ以上の数値を達成できる場合は、それを試みることは企業の利益につながる。

 

・実験の回避

自己満足は、通常、実験を避けることも意味する。新しいABテストを実施し、特定の見出しのパフォーマンスを確認したり、色やフォントの変更など、ちょっとした変更に手を加えたりすることは続けられるかもしれない。しかし、画期的なアイデアを生み出す、より大規模で強固な実験に多くの時間やエネルギーを費やすことはないだろう。

 

・新しい戦略やイノベーションの看過

現状に満足することは、新しい戦略やイノベーションの出現を意図的に無視することでもある。マーケティングの第一人者が画期的な新戦術を紹介する新しい試みを発表しても、それを積極的に探さないため、目にすることはないだろう。したがって、あなたは最新の新しいトレンドのいくつかを見逃すことになるだろう。

 

・非効率な方法

コンバージョン率の最適化だけではない。コンバージョン率に関連する習慣やワークフローの効率化も重要だ。現状に満足しすぎていると、より効率的な作業を身につけることができず、コスト削減の機会を逃してしまうことになる。

 

自己満足を克服する方法

では、コンバージョンへのアプローチにおける自己満足を克服するためには、どうすればよいだろうか?

 

・競合他社や業界平均を研究する

なし得る最善策の一つは、競合他社や業界全体の平均を研究することで、自分の考えから脱却することだ。業界によってコンバージョン率は異なる傾向にあり、自分が考えているよりも高い場合も低い場合もある。競合他社が自分よりもはるかに高いコンバージョン率を得ていることに気づいたら、それは大規模な見直しが必要であることを示すサインだ。

 

・(ABテスト以外も)実験する

常に実験し続けてほしい。ABテストは重要であり、実施や観察が比較的容易だ。しかし、真のポテンシャルを発揮したいのであれば、ABテストの枠を超えて考える必要がある。つまり、初心に戻って考え、思いつく限りの仮定に挑戦することだ。

 

・クリエイティブな思想を持つメンバーを雇い、報酬を与える

クリエイティブな思想を持つメンバーでチームを編成し、彼らに報酬を与えることで、人々がクリエイティブな思考になるように促そう。理想は、すべてのマーケティング担当者が革新的な起業家のような思考をすることだ。常に既成概念にとらわれずに考え、新しいアイデアを思いつく人が、あなたを前進させ続けるだろう。

 

オーディエンスについてさらに学び続ける
オーディエンスのことをできるだけよく知ろう。アンケートや人口統計学的調査、現場での行動パターンから情報を得て、それを戦略に反映させよう。ユーザーがどのように考え、行動するかを理解すればするほど、そのユーザーに適した行動喚起(CTA)をデザインすることができる。

 

コンバージョン率は、オンライン企業の収益性と成長にとって、間違いなく最も重要な変数だ。そのため、コンバージョン率に満足する余裕はない。コンバージョン率を高めるためにウェブサイトやコンテンツを最適化する際には、前提条件や既存のワークフローに挑戦し続け、決して「これで十分」という気持ちに陥らないようにしよう。

 

※当記事は米国メディア「Entrepreneur」の10/1公開の記事を翻訳・補足したものです。