ECサイト運用でアクセス解析から確実に売上アップに結びつけるための5つのポイント

 

アクセス解析を行うことで売上はアップするのか?と言われれば間違いなく答えはYesである。しかし一方で、ECサイト運営で後回しにされがちな最も重要な業務もアクセス解析だ。その原因は集客やサイト改善などの売上アップに一見直結するものではなく、また具体的にどのよう解析業務から売上を改善していくことが出来るのかの道筋が見えにくいことにある。

しかし、ECサイトを運用して成果を出すためにはアクセス解析は避けては通れないものだ。ほっといても売上が上がるごく一部の例外的な店舗を除き、成功しているショップでは必ずアクセス解析を行っている。今回は、ECサイト事業者が非常に苦手にしているアクセス解析からどのようにECサイトの成果を出していくのかを考えていき、そのために重要な5つのポイントを紹介していく。この記事を読んで、アクセス解析を行うだけでなく成果にしっかり結びつける方法を学んでほしい。

 

 

 

成果を出すためにはしっかりとした準備から

 

成果を出すためにはしっかりと準備を行わないといけない。5つのポイントのうち、4つは準備フェーズのものであり、残りの1つが実運用フェーズのものとなる。

 ECサイト運用でアクセス解析から売上アップに結びつけるための5つのポイント

 

それでは、それぞれのポイントについて見ていこう。

 

 

ECサイト運営のゴールを決める(KGI)

 

ECサイト事業者の多くは、漠然と売上を上げたい、利益を上げたいと思っているものの、明確にECサイト運営のゴールである値は設定していないケースが非常に多いと感じている。このような状態ではそもそもアクセス解析やデータ分析をやる意味がない。儲かりたいからというだけではなく、市場にどのようなポジショニングや影響度を及ぼしたく、そのためにはどのような売上やアクセスを獲得しなければならないのか、という視点が非常に重要だ。そのため、基本的にはミッション(目指すべき姿)からECサイト運営のKGI(Key Goal Indicator)を設定していく。KGIは、ショップとしてのゴールを数値化したものであり、ゴールとなる指標とその目標値だけでなく達成目標時期も同時に設定する必要がある。

 

ECサイト運営のゴールを決める(KGI)KGI設定の例

 

ここでのポイントは以下の3つである。

  • KGIはショップとしてのゴールを数値化したもの
  • 市場内でのポジショニングや他社データなどから意味のある数値目標を作る
  • KGIとする指標と数値と達成時期を明確にする

 

 

ゴールを達成するための目標とマイルストンを決める(KPI)

 

KGIはそれを設定するだけでは絵に描いた餅となる。そのため、次にKGIを達成する為にどのような指標をどのような数値まで、いつまでに持っていくかを決める必要がある。これがECサイト運営のKPI(Key Performance Indicator)ということになる。KPI設定のポイントは、その複数のKPIを達成することで、必ずKGIを達成できるようにしなければならない。すなわち、KPIはKGIをブレークダウンした複数の目標の塊となる。KPIもKGIと同様に、マイルストンとなる指標とその目標値だけでなく達成目標時期も同時に設定する必要がある。

多くのECサイトにおいてKPIはそれほど複雑なものとはならない。以前の記事(【保存版】 ECサイトのアクセス解析・データ分析レポートに盛り込むべき10の視点)でも触れた視点の中からどの指標をどのセグメンテーションを行ったものを設定するか、という範囲で検討すれば十分だ。また、KGIとして利益率などを謳った場合、KPIについてもアクセスデータだけで完結するのではなく、行っている施策に投じた費用もKPIとして設定しておく必要があるだろう。

 

ゴールを達成するための目標とマイルストンを決める(KPI)KPI設定の例

 

ここでのポイントは以下の3つである。

  • KPIはそれを全て達成するとKGIを達成するものとする
  • KPIとする指標はそれほど難しいものとする必要はない
  • KPIとする指標、時期、目標値を明確にする

 

 

アクションを明確にする

 

KGIとKPIを設定しただけで満足してはならない。KPIをモニタリングしていてもし値が目標値に達しなかった場合、どのようなアクションを取ればいいのか?それを明確にしないとKGIもKPIも意味をなさない。逆を言うと、アクションに結びつかないデータやそのヒントにもならないデータは見る必要がない。そのため、アクションが出来ないKPIを設定してしまった場合は見直す必要がある。ショップによってはどうしても改善出来ないものなどがあるだろう。そのようなものをKPIとして設定しても意味がない。具体的にどのKPIがどの程度の値となった場合には、誰がどの程度の予算でどのようなアクションを行うのかまで明確にしておくとPDCAサイクルは非常に回りやすくなるだろう。KPIを達成する為に、膨大な時間と費用を投資をしていいわけではないため、アクションに許される費用や改善の期間の目安も検討しておくとよい。

KGI・KPIを設定する目的は、壁に目標を掲げてメンバーの士気を高めるだけのものではなく、目標に向かってアクションをしっかり起こすことが出来るようにすことが重要だ。目的を持ってデータを見るということを意識付けていきたい。

 

アクションを明確にするアクションプラン検討の例

 

ここでのポイントは以下の4つである。

  • どのKPIを改善する為にどのようなアクションを起こす必要があるのかを明確化する
  • 誰がそのアクションに責任を持つのかを明確化する
  • そのアクションのために許される費用はどの程度かを明確化する
  • そのアクションの実施期間の目安はどの程度かを明確化する

 

 

モニタリングレポートを作成する

 

定常的にKPIをモニタリングするためには、モニタリングするべきKPIを一覧化したモニタリングレポートを作成すると便利だ。モニタリングレポートにはKGIとKPIの関係性が明示されていると常にそのKPIが何のために向かっているものなのかの意識共有をはかることが出来る。

KPIの値が悪かった場合の原因検証のために、KPIの原因となるいくつかの重要な指標もレポートには含めておくと便利だ。例えばKPIとして来訪者数を設定した場合、原因指標として検索エンジンからの来訪者数と割合、ソーシャルメディアからの来訪者数と割合、などをレポート内に含めておくとよい。

ただし、レポートに何でもかんでも値を詰め込み過ぎると、重要な点がぼやけてしまうし、そのレポートを作成するだけで担当者の時間を多く使ってしまうのも無駄である。原因を見てアクションを取れる指標を、工数を最小限に抑え、可能であれば自動化された状態でレポーティングされる状態となることが望ましい。ここでは、柔軟なカスタマイズに対応し、アクセスデータだけでなく費用なども含めたトータルのデータを自動的にマンスリーレポートとして作成することが出来る弊社のECサイト向けアクセス解析サービスのShopnoteを活用することをお勧めする。

ここでのポイントは以下の4つである。

  • レポート内でKGIとKPIの関係性を明示する
  • KPIが悪かった場合の原因を解明するための原因指標もレポートに含める
  • 原因指標もアクションを取れるものに絞り込む
  • レポート作成は工数をかけずにShopnoteなどを活用し自動化する

 

 

業務の中に組み込みアクションを起こす

 

ここまで準備をしたら後はしっかり定常的にモニタリングをすることが重要だ。しかし、準備をして数回モニタリングしたら満足してしまうケースが非常に多い。モニタリングを数回するだけでなく、決められたアクションをしっかりと毎回行っていきたい。

またモニタリング時にはKPIに達っしているかどうかの定点観測や、時には他社比較を行ってそのKPIが適切かなども確認していく必要がある。無謀な標値となっていないか、指標自体にしっかりと意味があるのかを常に意識して、必要であればKPIや原因指標を見直すことも重要だ。

最後に一番重要なことは、モニタリングしてアクションを起こすPDCAサイクルを、ショップ運営のおまけで行うのではなく、重要なデイリー業務の中にしっかり組み込むことだ。そして更に継続的にショップの成長させるためには、アクションを取れる業務の幅をどんどん広げていきたい。体制やスキルや費用の問題があり初期ではアクションを取れないで断念していた施策を徐々にトライしていくことができると理想的だ。

ここでのポイントは以下の4つである。

  • モニタリングするだけでなく必ずアクションを取る
  • 意味のないモニタリングを続けずに、KPIや原因指標は常に見直す
  • 業務にしっかりとPDCAサイクルを組み込む
  • アクションと取れる業務の幅を広げる

 

 

 

この5つのポイントをしっかりと意識してECサイトの運営業務を行うことで、アクセス解析から確実に売上アップが出るPDCAサイクルを確立することが出来る。アクセス解析は直接的に効果が出ないから後回しにしてまいがちだが、このような視点でしっかりと成果に結び付けていくことが出来るため、是非皆さんも実践をして頂きたい。

 

<参考>

【保存版】 ECサイトのアクセス解析・データ分析レポートに盛り込むべき10の視点 (前編)

【保存版】 ECサイトのアクセス解析・データ分析レポートに盛り込むべき10の視点 (後編)

 

 

 

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