アプリエクスペリエンス企業AirshipのPR&コミュニケーション・シニア・ディレクターであるCorey Gault氏が、9,000人の消費者を対象に実施した、店舗での小売店アプリの使用に関する調査から得られた重要なポイントを紹介する。

 

Airshipが、米国、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、シンガポール、インドの9,000人以上の消費者を対象に実施した最近の調査によると、約3分の2の消費者が小売業者アプリを店舗内で使用して、フィジカル体験とデジタル体験を融合させているという。

 

調査対象となったすべての国の回答者の半数以上が、店頭での買い物中にスマートフォンを利用し、8つの特定のアクティビティを行う可能性があると回答している。たとえば、小売業者のアプリを開いてポイントカードやクーポンを使用する、効率的なクリック&コレクト体験を実行するといったことである。しかし、「QRコードやスマートシェルフタグをスキャンして、詳細情報、特別なインセンティブやポイントを照会したり、ロイヤルティクラブや企業からのメッセージを受け取るテキストクラブに参加したりする」といったアクティビティについては、ドイツだけが例外で、「そうする可能性がある」と回答したのは他国より少なく、42%のみであった。

 

 

また、今回の調査データによると、これらの行動はさまざまな消費者層で見られる。そして、デジタルとフィジカルという小売の境界があいまいになるにつれて、人々の生活におけるアプリの役割が高まっていることを示しているだろう。実際、ほとんどの国や世代において、店頭で買い物をする際にアプリを使用する可能性は、App StoreやGoogle Playからアプリをダウンロードする必要があるにもかかわらず、小売業者のウェブサイトへの訪問と比較しても数パーセント低いだけの結果となっている。

 

ミレニアル世代がデジタルとフィジカルの融合をリードしている一方で、かなりの割合の団塊世代が店頭でスマートフォンを使用する可能性があることが示された。実際、パンデミックの経済的影響を考慮すると、パンデミック発生前よりも小売店アプリの利用が減った団塊世代はわずか8%にすぎない。Z世代では14%、ミレニアル世代では12%、X世代(1965~80年頃の生まれ)は10%となっている。

 

これらの調査結果は、ブランドが、高齢者世代を取り込み、アプリの利点や店舗でのショッピング体験を向上させる方法を教育する大きなチャンスが存在することを示している。

 

 

その他の主な調査結果によると、アプリをオプトイン(通知を許可)する理由の第1位は「即時価値」である。一方で、「行動や購入履歴に基づくパーソナライズされたオファー」は、最初のオプトインの動機となる可能性が最も低い要因の一つであることが示されている。しかし、「自分のニーズに関連しない、または、パーソナライズされていない情報」は、最も一般的なオプトアウトの理由の一つとなっている。消費者がパーソナライズされた個別対応を望んでいることは明らかだが、オプトインを獲得するには、割引やポイント還元など、即時価値を提供することが必要であろう。また、出荷、配送、カーブサイドピックアップに関するアラート、注文確認書、領収書、お得なセールイベントへの早期アクセスといった手厚いサービスも、オプトインの動機付けとして上位に挙げられている。

 

また、消費者は、いつ、どこで、どのように自分の個人情報をブランドと共有するかについて、より厳しく選択するようになっている。消費者は、「ブランドと何についてコミュニケーションをとるか(43%)」や、「頻度(41%)」、「チャネル(40%)」をコントロールできるのであれば、ブランドとのコミュニケーションを継続する可能性が高くなる。このことから、ブランドはオンボーディングエクスペリエンスでユーザーの好みを把握し、顧客ライフサイクルを通じてその努力を継続することが不可欠であることがわかる。

 

以上は、Airshipレポートのハイライトのごく一部である。The Mobile Customer Imperative. Downloadの全文をダウンロードして、以下の実用的なデータを参照してほしい。

 

  • ブランドメッセージを受け取るタイミングと頻度に関する消費者の嗜好について
  • 消費者はどのような個人情報を、どのような理由でブランドと共有することを望んでいるか
  • 消費者がなぜ、そしてどのようにブランドからのeメールを無視するようになったか

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の1/17公開の記事を翻訳・補足したものです。