パンデミックの影響で、人々はかつてないほど健康とウェルネスへの関心を高めている。その結果、人々はニーズを満たすために、デジタルやeコマースのソリューションを利用するようになった。

 

これを受けて、パーソナライズされた食事プランや免疫力を高めるサプリメント、マインドフルネス実践など、あらゆるものを販売するeコマース企業が登場している。これらの企業は、刻々と変化する不確実な状況において、消費者が自分の健康をモニターし、維持し、コントロールする手段を提供している。

 

今回は、様々な分野の健康・ウェルネスの専門家にインタビューを行い、現在の新しく、そして新たな健康志向の世界でeコマースがどのように活用されているかについて見解を求めた。

 

Spoon Guru社のマーケティング担当副社長であるShruti Chawla氏は、「パンデミックは健康面で大きな遺産を残した」と語っている。英国における世界的な監査法人PwC社、米国のGoogle社、英国のスマート食料品検索アプリを提供するSpoon Guru社が最近発表したレポートによると、パンデミック以降、英国人口の約3分の1が、食生活を変えたことが明らかとなった。

 

「人々は、栄養が免疫系に与える影響をより深く認識しているだけではなく、心身ともに健康な自分になるために食生活やライフスタイルを変えようと、これまで以上に意欲的になっている」と同氏は続けた。

 

 

ウェルネスはパーソナルなもの

パンデミックやポストパンデミックにおける健康関連eコマースサービスの重要な要素の一つは、パーソナライゼーションである。消費者は、健康やウェルネスにおいては誰にでも効果がある万能なものはないということを理解しており、購入する商品やサービスを個々の状況に合わせて調整できるサービスを高く評価している。

 

「小売企業は、消費者が求めているシームレスなオムニチャネル体験を提供する必要がある。特に、健康と倫理的な目標が最重要視されている現在の状況においては、その必要性はますます高まっている」とChawla氏。

 

「小売企業が成功するためには、この非常に競争の激しい状況の中で、パーソナライズされた関連性の高いショッピング体験を顧客に提供し、顧客が自分のニーズや好みにより適した商品を見つけられるようにすることで、差別化を図ることが鍵となる」と続けた。

 

「また、小売店にとっては、膨大な情報の中にいる消費者をナビゲートする大きなチャンスでもある。」とChawla氏は説明した。

 

消費者は、精神的な心の健康に関しても、不確実で変化の多い時代の自分の特定のニーズに合う製品やサービスを求めている。

 

コーチング、トレーニング、コンサルティングサービスを提供するThe Mindful Pathのオーナー兼エグゼクティブディレクターであるCheryl Jones氏は次のように語っている。

 

「この1年、私たちは非常に多くの損失を被った。コロナウイルスのパンデミック、孤立と制限、社会的および人種的不安、失業、政治的対立の激化などが重なり、私たちを根底から揺さぶっている。私たちは愛する人を失った。次から次へと危機が訪れる1年で、通常の生活でのストレスに加えて、さらに困難な状況が続いている」。

 

「現在、米国ではワクチン接種キャンペーンが行われているが、昨年3月にパンデミックが発生して以来、最も重いレベルの不安やうつ状態が報告されている。このような激しい変化と不確実性の時代がしばらく続くことは間違いないだろう」。

 

こうした困難な状況の中で、消費者は健康と平常心を取り戻すための手助けを求めている。そして、Jones氏が提供するパーソナライズされた個人のニーズに応えるサービスは、健康とウェルネス分野において中心的な役割を果たしつつある。

 

「私のサービスは、人々の健康増進と幸福感の回復を支援することを目的としている。単にストレスを軽減するだけではなく、健康的な習慣を新たに身につけることで、人々がパンデミックからの回復計画を立て、前進し活躍できることを目指している」とJones氏は説明している。

 

精神的なサポートを求めているときも、食料品店で買い物をしているときも、消費者は少なくとも自分の健康やウェルネスをコントロールしていると感じたいと思っているし、個人向けのプランやオプションはそのような感覚を与えてくれる。

 

「すでに食料品業界では、パーソナライズ機能の必要性が注目されている。これは、より多くの人々が、自分自身の健康課題を定義することに焦点を当てれば、さらに顕著になると思われる。その定義は、パートナーや子供とは異なるかもしれない。世帯ごとに異なるニーズに対応するために、買い物を迅速かつ簡単にパーソナライズできる機能は、非常に有益だ」とChawla氏は述べている。

 

 

ウェルプラネット

ここ数カ月、健康とウェルネスに注目が集まっているのは、パンデミックを乗り切り、その先の世界で生き残り、繁栄するためのものだ。その先の世界がどのようなものであってもだ。

 

Better Way Health社のオペレーションディレクターである Taylor Morris氏は次のように述べている。

 

「パンデミックの後期に入った今、健康やウェルネスに関するサービスの人気は確立されたと思う。自分や家族の健康を守るために、人々はお金を惜しまないだろう。クリックするだけで商品が手に入るのだから、需要が急増するのも当然である」。

 

人々の関心は、個人の健康と幸福だけでなく、社会や地球そのものの健康とウェルネスにも向けられているのだ。

 

「健康問題は多くの人にとって最重要課題だが、環境、社会、そして私たちが地球に与える影響もすべて注目されている。当社のクライアントや食料品業界全体が、いかにして変化の原動力となるべきかを模索しており、当社のような技術は、消費者が自分のためだけではなく地球のためにも最良の選択をするために不可欠なものとなるだろう」とChawla氏。

 

多くの人々の生活において、新しいものに適応し、繁栄することは重要とされている。このような欲求を満たすeコマース製品やサービスには、すでに準備の整った市場が存在し、それらは、自分や家族が前進するためにできることは何でもしたいと考える消費者に支持されている。

 

「私は人類を信じており、このパンデミックからどう立ち直るかを決める、大きなチャンスが訪れていると信じている」とJones氏は主張する。

 

「誰になりたいのか?どうありたいのか?自分にとっての繁栄とは何なのか?私たちは、皆、成長したいという願望を持っていると思う。それが人間というものだ。時には、それがどのようなものかを見極める手助けが必要である」と締めくくった。

 

 

※当記事は米国メディア「E-Commerce Times」の5/25公開の記事を翻訳・補足したものです。