適切なツール・スイートを使用した従来型情報サイロの解消

 

パンデミックによって、私たちのほとんどはZoomミーティングにおけるピクセル画像の中に追いやられることになった。一部の活動はパンデミック以前の状態に戻るだろうが、人間関係の構築や親近感を抱くことは、これまで以上に難しくなっている。

だからこそ、最新のデジタルマーケティングツールを営業担当者やマーケティング担当者が活用すべきである。クラウド内の従来型の販売・マーケティングアプリだけではなく、ロケットブースターを備えたアプリのことである。さらに重要なのは、顧客対応担当スタッフが使用するツールに、履歴情報を組み込み自動化を促進することである。

 

ERP(Enterprise Resource Planning/ヒト・モノ・カネ・情報を一元管理し有効活用する)やサプライチェーンマネジメントなどの多くのバックオフィスツールは、AI主導の自動化を採用しているが、フロントオフィス(営業、マーケティング、サービス)は、自動化されていないプロセスとして最後まで残っている。

 

なぜか?営業とマーケティング担当者は、自分達の役割は、科学というより芸術であると考えてきた。また、直感と創造性が自分達を差別化するものであるという考えに固執してきた。それは真実だが、彼らの考え方とは異なる。

 

カスタマー・エクスペリエンスに科学をもたらす

例えば、ほとんどの営業担当者は、セールスコールで引き合いに出すのに最適な事例をわかっていると思っている。過去に、その事例をうまく使ったことがあったり、自身がその取引に関わったりしたことがあるため、話しやすいと感じているのだ。

しかし、機械学習やAIは、より完全なデータセットを使って、特定の業界や地域、企業規模において最も効果が高かった営業事例を特定することができることがわかっている。こうした提案は、営業担当者が販売を成立させる可能性を高めるのに役立つ。そして、誰かの直感よりも、事例の価値を判断するための優れた基準となる。

 

同様に、マーケティング担当者は特定のキャンペーンに最適なクリエイティブを知っていると確信しているが、繰り返しになるが、これも一種の確証バイアスに依存しているのだ。AI主導ツールは、組織全体にわたる他のマーケティング担当者の経験から学んだ、ある特定キャンペーンに最適なクリエイティブを実際に導き出すことができる。

 

しかし、マーケティングクリエイティブ開発やストーリーテリング、特定のピッチの「理由」説明などの個々のケースで、創造性を発揮する余地はまだ多くある。AIは単に、適切なタイミングで最適なセールスあるいはマーケティング資料を提供してくれるだけである。

マーケターは、ブランディングや、フィードバッグに基づいて製品やサービスを通して顧客に何を提供するべきかを調整し、特定の製品の機能を説明したりすることについて、創造的である必要がある。

しかし、営業担当者やマーケティング担当者は、自分の仕事を機械に手助けさせ、パフォーマンスのばらつきをなくすツールを歓迎するべきだ。

 

一周まわって

今日企業は、適切なツール・スイートを使用し、販売、サービス、マーケティング、そして広告の各組織における従来型情報サイロを解消することが可能になっている。これらのツールによって、マーケティングや営業担当者に対し、企業が持つ全てのデータに基づいた提案を行うことが可能となる。単一の設計されたフローの一部として、ERPやサプライチェーンなどのバックオフィスシステムからのデータが、フロントオフィスのデータセット内のデータを補完するのである。

あるレベルでは、営業やマーケティング担当者が、従来型のセールス・マーケティング・自動化ツールに抵抗を感じるのは当然のことだ。それらが提供する唯一の「自動化」は、彼らを管理・監視し、退社時にコンタクト情報をダウンロードするのを防ぐことを目的としているからである。

いまや企業は、このパラダイムを真っ向から覆すことができる。営業およびマーケティングのリーダーは、営業担当者がより多くの販売をし、マーケティング担当者がより効果的にマーケティングを行うのに役立つツールを組織に導入することができる。その結果、企業により良い成果と、従業員の業績ベースの給与の増加をもたらすことができるのだ。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の5/13公開の記事を翻訳・補足したものです。