英国のオンラインファッションマーケットプレイスSecret Salesは、Covid-19のパンデミック期間中、前月比4,000%の収益増を記録した。同社は、Covid-19の流行当初、フラッシュセール型アウトレットからプレミアムeコマースのマーケットプレイスへと変貌を遂げている。
Secret Salesは、Nish Kukadia氏、Sach Kukadia氏の兄弟によって2007年に設立。2019年8月、Lifestyle Retail Groupに買収され、ただちにビジネスモデル転換計画を発表した。しかし、予想外の経済状況のため、変革を実行するための十分な資金が調達できなかった。昨年3月、同サイトは、マーケットプレイスモデルへの移行を可能にするためのプレパック型会社更生手続き(破産事業の売却プロセス)を実施した。
何が変わったのか?
Drapers(ファッション小売分野の企業向け雑誌およびWebサイト)のインタビューで、共同オーナーのChris GriffinとMatt Purtは、具体的に何が変わったのかを説明している。「以前のビジネスモデルでは、異なるサプライヤーの商品を手作業でリストアップし、7日間のフラッシュセールとして商品を販売していた。つまり、卸売ベースでサプライヤーから直接購入する前に、消費者に商品を先行販売していた」。
そのため、配送に平均で3~4週間かかり、マージンが圧迫され、二重処理となり、Griffin氏によれば、カスタマー・エクスペリエンスの質が低下したという。
会員限定のエクスペリエンス
フラッシュセールというコンセプトは、オープンなeコマースサイトではないことも意味する。その代わりに、ユーザーが商品を閲覧するためには登録が必要となる会員限定のエクスペリエンスを提供している。「ウェブサイト自体は、eコマースのプラットフォームではなかった。商品を購入するための7日間有効の期間限定広告シリーズだった。つまり、通常のオンライン小売サイトと比較すると、検索やナビゲーション機能が限られていた」。
「オープンなeコマースサイトではなかった」
先進的なマーケットプレイスプラットフォーム
2020年3月のリニューアル後、ウェブサイトは先進的なオンラインマーケットプレイス・プラットフォームへと生まれ変わった。「今日のSecret Salesは、もはや時代遅れのフラッシュセールという形態では運営していない。現在は、割引価格でファッション、スポーツウェア、美容製品を販売する、英国を代表するオンラインプラットフォームとなっているのだ。Secret Salesのビジネスでは、ブランドと小売業者が技術的なフィードを介して直接的なつながりをもち、同社プラットフォーム上においてライブで商品を掲載することができる。そのため、販売価格、マージン、コピー、コンテンツ、画像を含むすべての側面を完全にコントロールすることが可能となる」。
リニューアル以来、訪問者は1,800万人
現在、450以上のブランド、小売店、マルチブランド企業が、余剰在庫を販売するためにSecret Salesと提携している。オンラインマーケットプレイスとしてスタートして以来、同ウェブサイトのユニーク訪問者数は1,800万人以上にのぼる。
※当記事は英国メディア「E-Commerce News Europe」の2/23公開の記事を翻訳・補足したものです。